ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』

その20『籠の鳥』


写真・文by ロンジ (クリック)


鳥になった夢をみていました
遠くの白い客船に手を振り
海猫と歌い
凪いだ太平洋を飛ぶ私の感心事は海面近くに浮上する魚の群れのことばかりで
あなたのことなど探していなかった

そのとき
あたらしい香水と仏蘭西土産のチョコレートを
ベッドサイドテーブルにそっと置いて去ったあなたは
私の寝顔に何かを見たかしら


『籠の鳥』文by 70rock


黒い睫毛が小鳥の羽のように震えている
いま君は夢のなかへとはばたいていく


しどけなくあいた唇のあいだから
僕のチョコレートを溶かす
桃色の花びらがみえる
 
ああ

どこまでも

『夜はやさし』


この平安のため
限りない海の夢を

ゼルダにも


冷やし蜥蜴寫眞館 (クリック)のロンジさんと 
私70rockとのコラボレーション
ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』の第20回です。


日曜の夜にロンジさんの写真と文章をアップ。

その写真と文章に触発されて私の灰色の脳細胞に生れた言葉を書きつけ

1枚の写真と2つの文章を次の日曜にアップします。



その1『指輪』その2『紫陽花』その3『装置』その4『Nine Lives』その5『残暑』

その6『横浜ベイサイド』その7『一人と二人の夜のものがたり』その8『官能』

その9『板チョコと廃工場』その10『かきのきのさか』その11『舞台』その12『水辺』

その13『まちぼうけ』その14『土蔵』その15『凍る夜』その16『渇望』その17『回廊』

その18『指』その19『アイスバーグ』