3.キースみたいな蛇皮のブーツを買いにロンドンへ


一儲けのチャンスを逃したというのにベルリンの壁の話でムッシュと徹子さんはひとしきり盛り上がる。テレビのこちら側では私がひとりで盛り下がる。


そんな展開のあと、ムッシュがやおら左の膝に右足の靴をを乗っけてこう言った。「いいでしょー、この靴」


自慢するだけあって、これが見事な蛇皮のブーツ。被害ジャはアミメニシキ蛇だ。ウロコの剥げ具合なんかいい味が出てました。

「ストーンズのキースがこんな靴を履いてるのを見てね、オレもああいうの絶対ほしいって思ったわけ。で、イギリスまで行って買ってきたのよ」



『キース 蛇皮のブーツ』で検索しても目的の写真が出てこないじゃないか。

グーグルさん、しっかりしてね。


キングスロードとかカーナビー通りの店で買える新品はイヤ。あくまでキースのみたいな履き古しの味わいが出てるやつが欲しい。ムッシュはフリーマーケットに狙いをつけた。


「ロンドンにはさぁ、有名なフリーマーケットが立つのよ。でね、思ったの。こういうでかいフリーマーケットのその前があるはずだ、って。仕入れのためのフリーマーケットがね。そこに行けばなんだってロンドンより安く買えるはずだと思ったわけ」


ということで、ロンドンから汽車に乗って1,2時間。ベテランのフリマーが集まるという噂のフリーマーケットまでわざわざ足を運んで買ってきたんだそうです。やれベルリンだロンドンだと忙しいヒトだ。