これはThe Smithsの最初のメジャー・インタビューだ。

スミスの音楽はかなり伝統的なものだ。それはヘビーなベース ・ラインと心を突き刺すようなボーカルを強調したダンス音楽なのだ。

彼らに影響を与えた音楽はそれぞれに違っている。だが最終的に出来上がってくる サウンドにはスミスのスタイルがいつも貫かれている。 彼らの方向性は4人それぞれの個性にこだわることであり、顔のないイメージになることではない。

●なぜベーシックなサウンドに戻ろうと思ったんだい?

J (Johnny Marr)「みんな革新性と独自性を得ようとして頑張ってるけど、それは Brian EnoやDavid Byrneによって行くところまで行ったと思うんだ。彼らはとにかく、その方法を知っていた。今の音楽は70年代中頃のそれに戻っている。みんな再考が必要だと感じてるんだろうね。今は、僕らみたいなバンドがいろんな事をまとめる時期なんだ」

D (Dale - 初期のベーシスト)「俺たちはそれを実行してるたったひとつのバンド さ。浮かんで漂うトレンドの一部じゃない。特に独自のサウンドを求めてたわけじ ゃないんだよ。ただ結果的にそうなったってことさ。それぞれに違う影響をたくさん受けているけど、共通点も多い。確実なのは俺たちはただのマンチェスターのバンドじゃないってことだ」

●マンチェスターにずっと住んでて、なにか難しいことはあったかい?

J「ロンドンよりマンチェスターのほうが難しいってことは別にないさ。実際、こ こは僕たちがやりたいことをやるのにいい場所だと思うよ。一時的な流行の一部にならずに済むし」

D「そう。もしも良いアイデアが浮かんだら、それをまとめて皆の前に出す。今はそれに最適のときなんだ。物事に刺激がなくて、すごく大きなギャップがある時代だからね」

J「ファッションみたいなもんさ。Fred Perryの服をきて街をうろついてるような 連中がクラブに遊びにいって、ほかの客を追い出してしまう、みたいなね。必ずしもロンドンに移る必要はない。だけどJoy Divisionみたいな例を見るとウンザリす るよ。恩きせがましいけど、僕たちはマンチェスターのバンドなのさ。でも、ここ の音楽はクズだよ。ここで方向性みたいなものも見出したけど、それは間違った方向性だった。バンドはよりポジティブでなきゃならないし、自分を限定するのはやめなきゃいけないと思うね」