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チャールズが"スタンダード"について話すとき、この言葉は彼独得の意味を持つ。「俺は決まりってものが好きなんだ。スタンダードってやつが好きなんだよ」彼は言う。

「ヘビー・メタルにだって、ラップにだって、物事にはスタンダードってものがある。それが全てを纏めてるものなんだ。ギター、ベース、ドラム、それにボーカル。これがスタンダードってもんさ。レコードなら30分か40分。それがスタンダードだ。まっ、これはCDが出てきて変わってきてるけどね」

「でも」彼は付け加える。「俺たちみたいなスタイルでさえ、テリトリーは広がってるんだ。頑固に固まっててさ、ほとんど1つの次元しかないバンドと俺たちどは違う。ラモーンズやなんかとはね」

「俺自身はあんなバンドにいたかったよ。俺はラモーンズみたいなバンドにいたかった。いつも完全に、あるキャラクターでいられるようなバンド。バットマンみたいに、いつもひとつのキャラクターでいられるようなね」

だがピクシーズにはホームレスのようなイメージ外のイメージが確かにある。彼らはステージではかなり超然としていて、オーディエンスと目を合わせようともせず、ちょっとでもファッショナブルにみえるような衣裳は着ない。

ステージでの見栄えについては、 チャールズはただこう言う。
「なあ。俺たちがいいショーを見せたければ、その為には雰囲気や衣裳をいいものにしたほうがいいと思ってれば、きっとそうしてたと思うよ。でも、俺たちにどうしろって言うんだ?そんなことはみんな前にやってるさ。で、そんなこと、俺はちっともカッコいいと思わなかったし、新しいとも思わなかった。だから俺たちはただのフランネルのシャツを着てステージに上がって、クソみたいなことはしないインディーのアメリカン・バンドのひとつとして頑張ってるのさ」

「それでも・・・うーん、そうだな。俺だってクソをやったことはあるさ」彼は大声で言うと、頭を震わせて絶望した人間の真似をしてみせた。「ごめんよ。何を着ればいいのか知らなくて!」