●政治活動

"ダギーの本はどこへ"という厄介な問題が解決したところで社会的不正の話題へ移ろう。

学生なら誰だって問題山積、いろんな問題で心が張り裂けんばかりのはずだ。大学の費用、人種差別、ホモ・フォビア、環境問題。チェック柄のシャツを着てたり体臭のきついヤツとの付き合い。でも問題を1つに絞るとすれば・・・

「活動家だね。政治活動に熱心なやつ。世界で一番煩わしい人種だよ」

ありがとう、ダギー。

「そりゃマジだよ」アンディが付け加える。「僕らが学生のころはスコットランドで人頭税の問題が持ち上がってた。毎日、2限になるとデモが始まるんだ。でもあいつら、全然マジメじゃなかった。要するに講義をさぼって太陽を浴びながら大いに騒いで酒を飲もうじゃないかって話なのさ」

フランが悲しげに頷く。
「あれをテレビで見ながら思ったな。"どうしてイギリス人ってのはこんなことをやりたがるんだ?"ってね。戦おうとするのはいいけど、やり方がね。酷いもんさ」

「とにかく、大学に行ったからって何かが変わるわけじゃない。まったく学歴を持っていない人の中にも素晴らしい人生を歩んでる人がいる。いつも人のために何ができるかってことを考えながら生活している人たちさ。自分自身のこと以上にね」

「確かに世界で最も頭のいい人間になれるかもしれない」彼は締めくくる。「最高の教育を受ければね。でも憐れみの心を持たなければ何も出来やしないさ」