君たちへの伝言(管理人sunburn訳)
02/10/1999-Melody Maker-原文



●酒

学生は大抵、飲酒に関するエピソードを持っているものだ。

それは小さな好奇心からはじまる。安いビールなら1パイントあたり教科書1/50 の値段で飲める、なんてことを知るわけだ。それに胃のマッサージを手伝ってく れるフレンドリーな学生用ヘルス・センターがいつだって近くにある。

「アート・スクールってのは酒飲みの学生で溢れてるんだ」ダギーは言う。「知 らない人はみんなこう思ってるんだろ?青白い顔をした頭のおかしな連中が角っ こに座ってお茶を飲んだり、キーツなんて詩人について話したりしてるんだろう な、ってね。でも実際は酒のモンスターの溜まり場なんだよ」

「そうそう」フランが頷く。「小便ばかりして過ごしてたよ。チューターの連中 だって同じさ!」

「学生用のバーに座ってると」アンディは思い出すように語る。「チューターが 床の上を泳いで横切ろうとしてるんだ。ぐでんぐでんに酔っぱらってさ」

大学で一番酔っ払ったのは何時だい?

「一度、ビンでサーフィンして腕を折ったことがある」彼は赤面する。

ビンでサーフィン?

「ああ」アンディは肩をすくめた。「女の子とパーティに行く途中だったんだ。 何とかして印象に残るようにしなきゃって思ったんだ。それで、ビンの上にジャ ンプしたら、すっ転んでさ!でもパーティには行ったんだぜ。折れた腕でさ」
「女のコにアピールしたいならそのぐらいやらなくちゃぁな」ダギーが得意げに 言い放つ。

「友達の家のまわりでテキーラ・ナイトをやったよ」フランは身震いする。「3 人で4本のボトルを囲んでね。それを次から次へと空けていくわけさ。ハイ次、 それ次、ってな具合にね。バスルームの鍵穴から友達が覗いてた。僕の毛深い背 中が彼の顔を見つめてたんじゃないかな。僕は泥だらけの水たまりに頭を突っ込 んだまま寝ちゃってさ」

「うーん」彼は顰めっ面で言う。「あれからテキーラには触ってないね」

それで、楽しかった?

「ああ、もちろん」彼らは声を合わせる。と、一瞬、あの時の頭痛を思い出した のか、微笑みが苦笑いに変わったが、それも一瞬のことだった。