鷹野鍼灸院の事件簿
(宝島社文庫 『この ミス』大賞シリーズ)


新米鍼灸師が遭遇する何気ない日常の中の疑問や事件に
修辞する院長・鷹野が事件を解決していく?作品。

助手・真奈はかつて患者として鷹野と触れてきたがその仕事ぶりに触れ
自らも鍼灸師に。そしてその先生のもとに助手として勤めることに。

しかし医院長鷹野はいつもふらっと二、三日留守にすることがある。
助手とはいえ新人に医院を預けて。

普段はひょうひょうとしているがその何気ない会話の中から疑問を見つけ出し
鋭い洞察力から事件を解決に導く鷹野。


腕でも確かなはずだがその性格からかいまいち信用のおけない、いや尊敬の
出来かねる鷹野の、しかしいざというときの頼れる医院長どのの活躍と
少しずつではあるが新米からの成長を遂げる真奈の短偏。


ミステリーとは少し違うかもしえないが先が読めるようで意外な結末というか
その事件の背景が待っている。
鍼灸院とあまり慣れ親しんだところでは無い日常を取り扱った作品なのに親しみを持てる
文体運びに作者には好感が持てます。

何事でも新人でここまでのことができるのか?と、一年目の経験はすごい吸収するはずですが
本人に限らず廻しの友人たちも新人で本当に?とか小説の本筋では無いところで疑問が
わいたりはしますが個人的には続編的な次回作を期待せずにはいられないです。

派手さはないですがなんかほっこりさせられる作品です。