野村   広島―ヤクルト8回戦


四回の第2打席。川島のカットボール。

バットを振り抜くと白球は左前に落ちた。

念願の2000本目。


球団史上初のトリプル3「3割30本30盗塁」というマルチプレイヤーの称号を95年に(打率・315、32本塁打、30盗塁)を達成。


97年にFA権を取得。メジャーからオファーもあった。球団にも直訴した。

「今でもその話はショックなんだ」と言う。

イチローからは「先に行ってくれると思ったのに」と言われた。


00年左太ももを肉離れして以来、ケガとの闘いが続く。昨年オフには右ひざを手術した。

今年からは守備位置もファーストに。

かつての武器だった足はいまや荷物に。

しかし、そこに男・野村の維持と精神力が支えている。



記念のサインボールを古田のようにスタンドに投げ入れながら、野村はスタンドに向かって何度も何度も頭を下げた。
 「ありがとう。ありがとう…」


広島一筋 17年、男 野村が見せた大記録の通過点だった。