北風と太陽。
どちらの世界で生きるのか。

それを自分で選べるなんて
あの頃は知らなかったから
悪戦苦闘してたな。


仁さんブログの↓一連の盛り上がりを読んできて
タロウ君とお母さんのこと思い出した。




タロウ君がクラスにやってきた時
「母親からの虐待あり。児童相談所に通報済み。母親は鬱で治療中。要注意」
って、申し送りがきてた。


タロウ君は一日中能面みたいに過ごしていて
いっさい会話をしない子だった。
能面ヅラで無言のまま
クラスの子を突き飛ばしたり
つねったり
追いかけ回したり…。


独語という特徴をもっていて、
会話はぜんぜんしないのに
誰かの耳元で
「シネ。クソババア。シネ。クソババア。シネ。クソババア。」って唱えるのが日常で。



案の定クラスは毎日戦場だった。

「先生ーーー!タロウ君が叩いてきた!」
「先生ーー!タロウ君がつねってきた!」
「先生!タロウ君がシネっていってきた!」


こんなんが3分おきぐらいに起こって
一緒に組んでいた副担任の先生は
「わたし、もう彼の対応ムリです」
って放棄w


おい!わたしだってやねん!と心で悲鳴をあげながら毎日保育してた。


3分おきに事件が起こって
その度に
「タロウ君お友達を叩いたらいけないよ!」
「タロウ君お友達をつねってはいけないよ!」
「タロウ君お友達にシネっていってはいけないよ!」


っていったところで何が起こるかわかりますか?


はい。何も起こりませんw
変化なし。
毎日トラブルは起き続ける。


毎日毎日へとへと。
どうやってベッドまでたどり着いたかわからんような状態で
泥のようにバタンキュウーと眠りについてました。

いつ終わるんだこのリフレインーーーーーー


が、しかし、
これが100日ぐらい続いたある日

激変が起こる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人間ってのはおもしろいもんで
自分が信じ続けてきた方法が
まったく役に立たず
太刀打ちできないとわかると
なんか馬鹿力がでるもんなんですねーーー。




とこっとんトラブルが起きまくりの生活が続いたあるとき
















ふと








もう禁止するのやめたろ



って思ったんです。


もうそれやり尽くしてカスッカスになってましたから。

他のやり方してみよ

ってなんか湧いたんですよ。


そしたら


火事場の馬鹿力ならぬ
火事場の馬鹿アイディアが降ってきた。





タロウ君が誰かを叩こうとしたとき
とっさに止めに入ってたんをやめて


「先生を叩き!」

って自分の体を差し出してた。


「叩きたかったら先生を叩き!」って

「その代わりおしりにしてな!」って


そしたらなんか知らんけどクラスの子が笑い出したんですわ。





タロウ君が「シネ。クソババア。」って言ってきたときは


ふざけて「イキル!オシッコ先生!」って言ってやった。


そしたらまた、なんか知らんけどクラスの子が笑い出した。


それからはタロウくんが「シネ。クソババア。」
って言うたびに

どっかで「イキル!オシッコ先生!」
ってこだまして、誰かが笑ってるのが日常になった。


禁止されずにいたら図に乗ってエスカレートすると思います?


タロウ君。。。。。どうなったと思います?


なんと!「シネ。クソババア。」以外の言葉が出てきた!

「いれて」
「ほしい」
「やめて」


すげーーーーーーーーーーーー
すげーーーーーーーーーーーー


人って
ここにいていいよ
(「先生なら叩いていいよ」「イキル!オシッコ先生!」は彼にダメのメッセージではなくここにいていいよのメッセージを届けたのだと思う)

っていうメッッセージ受け取ると

開いていく。やわらかくなっていく。




それからだ。



わたしが北風より太陽の偉大さを実感したのは。



暴力はあかん!ダメ!ぜったい!
暴言はあかん!ダメ!ぜったい!

っていう禁止は
コブシを握りしめるエネルギーや。





そのコブシをふっとゆるめたとき

あったかい赦しと笑いのエネルギーが流れ込む。

 


ちょうど素麺みたいに。

束になったままの握りしめた素麺をそのままゆでたら

固くて食べられたもんじゃないやん。




けど
コブシのエネルギーをほどいてゆるめたら

麺はやわらかくお湯の中で踊って


それはそれは美味しい素麺がいただけるんです。





「北風」と「太陽」
「束の素麺」と「バラの素麺」w


わたしは太陽の元で、美味しい素麺を食べたい派です。


北風派から太陽派に移住するきっかけをくれたタロウ君を、今回の仁さんの騒動が思い出させてくれましたw感謝!



この後のお母さんの変化は、次回!



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