たまの買い物も楽しめないほど
私は疲れ切っていた。
家事を済ませ、
子供を送り出し、
会社に行き、
仕事をして、
夕方、子供を迎えに行き、
会社で待たせて、
仕事をして、
帰って食事を作り、
家事をして、
子供の世話。
ただのシングルマザーだった。
子供との会話でも私の笑顔が消えてしまっていた。
なぜこんな風になってしまったのか。
なぜ私一人で全部背負っているのか。
この時ようやく、私の気持ちは
彼への怒りしかないことに気が付いた。
彼は昼ごろに起きだし、
作ってあったご飯を食べ、
テーブルに足をあげながらテレビを見る。
それからやっと出勤すると
面倒な仕事があることに文句を言う。
少しのミスも許さない。
気に入らなければ怒鳴りつける。
仕事先から帰ってくれば、相手の悪口。
朝から家にいないときはゴルフ。
彼は「その人」のミスも許さなかった。
仕事の説教というより、
「その人」の人格否定をしていた。
育ててやる、という恩着せがましい気持ちと
頼られている、という優越感があるから
その分、たちが悪かった。
こうして裸の王様は出来上がっていった。
もしも、私が あなたは裸です と、
助言をしても鏡すら見ないだろう。
でも私は もう限界 と、
泣くことも笑うこともなく彼にそれだけ伝えた。
彼は一瞬黙った後、 それを俺に言うかねぇ? と、なじった。
彼は自分がどれだけ大変か、
どれだけ苦労しているか、
どれだけ辛いか、
どれだけ考えているか、
話は永遠に続くと思われた。
私はこの時、彼とは上辺だけの付き合いをすると、心に誓った。

