もう一つの人脈を知ったのは、
その人が会社に入ってからだった。
その人は、真面目で、温厚、
彼の知り合いだとは思えなかった。
その人が入った経緯は、
親の会社を継ぐのに、
彼の社長ぶりを学ぶため、
と聞いたときは、
外見に騙されている、と思った。
仕事相手としては、ふさわしい相手でも、
社長としては、度量も、器量もないので
学ぶことは、無理だった。
予感は的中し、
彼はすぐ、その人に仕事を引き継ぎ
ほとんど会社に来なくなった。
よく考えると、来なくなっただけじゃなく
仕事もしていなかった。
ゴルフの練習とコースプレイに忙しかった。
たまに、その人にくっついて打ち合わせに出て、
その人にダメ出しをした。
会社に帰ってからは、
その人の人格ごと否定し、
めちゃくちゃに怒鳴りまくっていた。
私にはそれが普通のことに思えていて、
意見することはなかった。
なぜなら、ずっと私がされてきたことだったから。
彼女とその人と私では、
楽しく仕事ができた。
過ちを責めず、前向きに対処することで
絆を深めていった。
幸せだった。
信頼できる仲間だと思っていた。
順調だと思っていた私は
彼女の変化に気が付かなかった。
