事務所を移転して間もなく、

住むところも引っ越した。

中古だが、一戸建てだ。

前の住人は、隠居暮らしのご夫婦だったが、

急に引っ越すことに決まり、

買い手を探していた。



なかなか買い手が見つからないとき、

彼が手ごろな値段で交渉を成立させた。

以前より結婚生活のステップアップを

気遣っていたお義母さんもこの報告を喜んでいた。



買った後、家を見に行ったとき、

実家より広い家を見て驚いた。

広く、何もない部屋は

どこかさびしげだった。



契約を交わした後、

両主人と、関係者で食事をした。

彼は、よい買い物ができたと、感謝した。

売り手のご主人は、泣いていたという。

彼は、長年住んだ家を手放すのが

悲しいのかと思っていたが、

実は、奥さんに離婚を迫られて、

家を売却して、財産分与したのだと後日、

関係者にこっそり教えてもらった。



私もあとから聞いて、

本当に熟年離婚がはやっていて

、周りにもあったのだと、感心してしまった。

そんな曰くのことなど、

新しい生活や、新しい家を手に入れた、

今の浮かれた気持ちに比べたら些細なことで、

まさしく他人事だった。



         さいかのブログ ~私はこうして殺された~-12-1


私達夫婦も新しくなったように感じた。

そんなとき、私は赤ちゃんを熱望した。

彼に相談したところ、

彼も結婚6年目にして子供がいないことを

周りからとやかく言われるのに疲れたらしく、乗り気になった。