彼はよく、思い出話をした。

小さいころ、自分の部屋をもらったが、

そこに押し込められているようで

さみしかったと。

自分もお父さんとお母さんのいる

リビングで一緒にテレビを見たかったようだ。

ひどい熱が出た時などは

、部屋に一人にされたことを

とても不満に思っていた。

色々な話を客観的に聞いた私は

マザコンなの?

と、言った自分でさえ青くなるようなことを

聞いて、怒鳴られたことがあった。



とにかく彼の話は

ネガティブ一色だった。



何年かすると、

夫婦としての形を成さなくなった。

社長と従業員。

そんな風にしか見えなかった。

もちろん、夫婦の営みもなくなった。

毎日、私が疲れ果て、拒んだからだ。

それでも彼がせまると、身体すら、拒みだした。

まだ若く元気な彼にとっては

、辛かったと思う。

せっかく自由にできる女ができたのに

言うことを聞いてくれないのだから。

頭を強く打った人などには

性欲が強くなってしまう人もいるようだ。

彼は若いころに生死をさまよう事故にあっている。

その事故は私から言わせれば、

自業自得だと思ったが、

そんなことは絶対に言えなかった。

死の淵を見たことを自慢していたように見えたから。




この頃から、帰りが遅くなることが増えた。

ゴルフをして、帰りに呑む。

給料も取れない私をしり目に

そんな遊びをしていた。

彼がゴルフをしている間、

もちろん私は働いている。

それを申し訳なく思ったのか

、私にもゴルフのハーフセットを買ってくれた。

たまに練習場にも一緒に行った。

学生時代、スポーツをしていた私は、

ゴルフのあたりも良く、楽しかった。

彼は、すぐに何でもこなしてしまう

私をつまらなく思ったに違いない。




さいかのブログ ~私はこうして殺された~-10-2