アパートで幸せの絶頂にあった私が、

越えなければならない壁が目の前に迫っていた。

結婚したい相手がいる。と家族に言うこと。



あまり帰らなくなった家に

何日かゴロゴロしていたとき、

意を決し、母の近くに座った。

彼からもらっていた名刺を見せて、

私、この人と結婚したい。

そう、つぶやいた。

母は、黙っていた。

どんな生まれで、

どんな仕事をして、

どんな人かを伝えたが、

母は、黙って聞いていた。

このことをどう思うのか尋ねると

どうせ言ってもわからないでしょ。

と、冷たく言い放った。

はれものが何を言うのだ、

二十歳の小娘が結婚だなんて、

どうせお前は何を言っても聞かないのだから・・・。

そんな冷たい空気が漂っていた。




さいかのブログ ~私はこうして殺された~-5-2





私はその場を早々に引き揚げた。

結婚したら、私みたいなお荷物が

家からいなくなるのに

なんで怒るのだろう、と、

私にはその支配的な冷たい空気が読めなかった。