核家族化が進むなか、
私は7人家族という大きな家庭で育った。
祖父母はいつも家にいて、どっしり構え、
父は仕事をし、家事一切は母がやった。
子供たちは学校で学ぶ。
役割がはっきりしていた分、
家のことは何もできない子だった。
好きな人のためにご飯を作ろうとしたとき、
私には料理に関して、何の知識もないことに
自分でも驚いた。
料理本を買い、レシピ通りに料理していった。
それほど不器用でなく、
感も悪くなく、
母親がおいしい料理を
食べさせてくれていたおかげでなんとかなった。
一応、栄養のバランスも考え、彩にも気を付けて、
彼に食べさせた。
最初のうちは、褒めまくってくれていたけど、
そのうち魚料理や、サラダが多すぎることに
エピソードを交えて面白おかしく愚痴を言い出した。
自然と彼の気に入ったものだけを
出すようになっていった。
結局、ほとんど毎回、肉と少しの野菜で
できたものを出していた。
若いからか、目に見える害はなく生きていた。
将来のことなど、これっぽっちも考えなかった。
料理本で作るのさえ、面倒くさくなっていった。
