出会ったのは秋も深まった冬。
新卒で入った会社で上司にストーキングされ、
相談していた先輩も辞めてしまって、
耐えられなくなり、1年で辞めた。
実家で細々とニートとして暮らしている中で
レストランのホールでバイトを始めた。
バイトのほかにやることもないし、
オープニングスタッフとして何かと任されていた。
すぐに朝のオープンからランチ終わりまで
ホール責任者になった。
その後は新しいスタッフの教育までしていた。
気が付くと、正社員以上の仕事量だった。
そんな時にレストランに来た客だった。
いつも通り、冷静に、丁寧に、対応していたと思う。
ランチの嵐のような時間帯も過ぎ、
各テーブルのお皿の回収をしていた時、
呼び止められた。
「さいかさん?」
「はい!?」
「さいかさんは、地元の方?」
「そうですけど・・・。」
この程度の会話を交わしただけだった。
