12/12(火)


その日は故障している自転車を押しながら、自転車屋へ行った。

それは来月こっちに相方が来るから、その時に自転車に乗ってもらう為…。

実はその自転車は父の形見で、数年前に父が亡くなって引き取ったものの、長年乗らずに、自宅の駐輪場にカバーを被せない状態で屋外で保管していたし、更にその自転車のカギがあったはずなのに、いつの間にか紛失していた。

つまり、自転車を押すと言っても、後輪を持ち上げた状態で押す事に…。


自宅から最寄りの自転車屋までの道のりが約1kmやったけど、その日は雨が降っていて、両手が塞がっていたから傘をさせず、カッパも着ずに、自転車屋へ向かった。

自転車屋へ到着する時には、雨なのか汗なのかわからないぐらい全身がずぶ濡れになった…。


実はこの自転車は父の形見で、ある程度であればそれを修理して直してもらおうと思っていた。

しかし、自転車屋の従業員の方から、無料で修理の見積もりが出来ず、カギを壊す作業、更に痛み具合で修理代が掛かってくるとの事…。


全体的に自転車が傷んでいる事が一目でわかる状態で、その中で前輪からタイヤの一部のような物が剥がれていて、特に非常に傷んでいる事もわかった。

素人である自分からしてみても、そのような状態があって、この自転車を修理するぐらいであれば、中古の自転車を購入出来るぐらいの費用が掛かる事も、何となくわかった為、残念ながらその自転車を破棄してもらう事になった…。


そして、帰宅。


結果的に父との思い出の物は1つ失くなってしまったけど、自分の記憶にはずっと残し続けたいし、必ず、絶対に残し続ける。