もともとボクはお気楽な人間だった



繰り返す日々をこなしているだけの人間



無気力だとか言われてた



でも変わった



決定的に変わった時期がある



ある女の子を好きになったときから





不思議な人だった



今まで会った誰よりも



普通の人にはないものを持っていた



同じ景色から



きっと違うものが見えてたんだろうな





「似てる。」って言われたことあるけど



それは全然違ってたんよ



あの人がボクの今まで開けたことのないドアを開けて



それがものすごい速さでボクを覆ったからそう見えただけ



完全に飲み込まれて



自分は見えなくなった



もともといた自分と



突然、顔を出した自分の区別がつかない



異常なまでの恋心も手伝って



完全に心は崩壊した



「どれが本物なの?」


「これは本当にオレ?」



隠していたわけじゃなくて



わかんなかったんよ



大地震の後みたいに散らかった精神状態の中で



いつも苦しかった



「そんな解釈の仕方をしないでよ。それはオレじゃないから。」



って思っても



言い切る自信は無くて



言葉にすると嘘くさいし



っていうかそっちが本物か?



とか思ってしまったりもして



間違ったアクセルとブレーキをいっぱい踏んだ



自然に行うはずの行動なのに



いちいち感情を呼び出して動機を自分に求めた





でも



それも今となっては過去のこと



やっと過去になった



心が復旧してきたんだ



膨大な時間がかかったんだけどさ





そしたら見えてきたものがいっぱいある



「思考」の意味



「世界」の流れ



すばらしいものたち



ただ「明るい」だけのレンズだけでは見えなかったものたち



「黒」の美しさ





ボクのことをただただ苦しめてただけ



って思ってるかもしれないけど



全然そんなことはない



「財産」を見つけたから



もしかしたら手に入れないほうが楽しく暮らせたかもしれない



確かにマイナスに働くと一気に落ち込んでしまう時がある



でも



だからこそキレイなものを見ることもできるわけで





感謝してる



心から



尊敬してる



今でも






いつか伝えなければいけないと思ってる



こんな一人の世界に留めてるだけではいけない



いつか形にして外に出さなければ



だって



同じものを通して



感じていることにギャップがありすぎてて



それがすごく悪いなぁ



って思うもん



最後の言葉にするんだ



迷惑ばかりかけたせめてもの恩返しとして