夢を見た



目覚めるとそこは見知らぬベッドの上だった



窓の外では景色が流れている



しばらく考えてみると



うっすらと記憶が蘇ってくる



そうだ北海道に行くんだった



ここは船の中だっけ



もうすぐ到着する時間だ



お風呂に入りたいな



どうやらスイートルームらしいこの部屋には浴室も備えられている



シャワーを浴びていると



桶の中に携帯電話が浸かっていることに気づいた



しまった



慌てて取り出してボタンを押してみても



画面は暗いまま応答しなかった



船から降りて



道のわきに座ってやっきになって携帯電話をいじってみても



何も変わらなかった



どうしよう



もしメールが来てたら



最悪な夢だった



こんなにひどい自分を



こんなに鮮やかに表現している






最近



波の揺れが激しくなってきた



文章の質が短期間で姿を変える



悪い薬みたいだ



投与している間は気持ちよくて



でも



ふとした瞬間に



確実に自分を蝕んでいくのがわかる



きっと



自分に呪いをかけてるんだ



このダラダラした感じは



「甘え」なんだ



やめることを自分で止めるプログラム



「解除したほうがいいの?」

「このまま酔っていようよ」



もう何もわからなくて



ただただ苦しくて



呪いをとく合言葉は知ってる



でも



この合言葉はきっと危ない



こんな状態で使ったら絶対に制御できない



弱い自分を形作る



この毒は



薬になる可能性があるのに



毒として完結させてしまう






テーブルの上にあるコップから



危険な気体が漏れてきている



こんな文章だもの



多分危ない






実はもっと前から気づいていた



でも見て見ぬふりをしていた



そしたら毒が回りだした



部屋に人を招き入れて



処理しようとしても



きっと拒んでしまう



そういうふうにできてるもの



性格が



「呪い」の力



それでも



共存していくことを選ぶであろう自分には



正直付き合いきれない



自分が何を望んでいるかはわかってる



止める力はない



正確には意志がない?



つまりそういうこと



結果が怖いんじゃなくて



「今」が苦しい



時間が鋭利な刃物のように襲ってくる「今」に



耐えようとする自分は



客観的に見て



やめときゃいいのに



今はまだ誉めてあげられない



こんな精神状態だから






初花凛々



心に響く



これも麻薬なんだな






記憶が操作できたらどんなに楽か



そんなことしたら人間は成長しない



そんなのわかってる



ただ



今は気持ちがそういうことを越えてる




懐かしい匂いがした