先日、イングロリアス・バスターズを見た為、同じようなナチ関連の映画を見てみようと思い鑑賞しました。公開時に注目されていたし、気になった映画だが、結局見に行けなかった作品でもある。


数多くあったヒトラー暗殺計画の中でも、もっとも有名(らしい)な「ワルキューレ作戦」を忠実に再現したのが本作。


それほど歴史に詳しくない僕でも、ヒトラーが自殺したというのは分かっているので、映画の結末、つまり本作戦は失敗に終わるのは分かっている。となると、どのような作戦で、なぜ失敗に終わってしまったのか、という所が見所になるわけだ。


重厚な雰囲気で、ワルキューレ作戦に至るまで丁寧に描かれている。主演のトム・クルーズの演技も冴えてて、緊張感張り詰めるシーンが多い。作戦が失敗すると分かってて見ているから、ここでバレるんじゃないか、このときの判断が後に大きな影響を与えるんじゃないか、と失敗する瞬間に怯えながら見てしまった。結果が分かってても十分ハラハラできるサスペンス作だった。


と、とてもよく作られている映画だけど、なんかいまひとつ。史実を淡々と丁寧に描いてる作品だからこそであるが、なかなか感情移入出来なかった為、「何が何でも計画を実行する、今夜歴史を変えてやる」っていう登場人物の気持ちが伝わってこなかった。また、よくも悪くもトム・クルーズ主演の作品でシュタウフェンベルク大佐でなく、トム・クルーズが作戦を実行していたようにしか見えなかった。


しかし、彼が主演でなければここまで注目されなかっただろうし、シュタウフェンベルク大佐やヒトラーでなくドイツの為に殉職した男たちがいたこと知ることもなかっただろう。


<評価>☆☆☆




 






タランティーノの最新作「イングロリアス・バスターズ」観てきました。彼の過去の作品が好きな人には、絶対に損しない面白い映画でした。


ナチへの復讐を計画するユダヤ人の女ショシャナと、ナチを殺して回る連合側の特殊部隊「イングロリアス・バスターズ」と、ヒトラー含むナチのトップが上映会を行う映画館に集まり、さぁどうなる!!ってストーリー。ざっくり言えばね。


タランティーノ作品の魅力は、


①過去の作品へのオマージュ


②バイオレンス・アクション


③長い会話シーン


の3つだと僕は思ってます。


①に関しては映画オタクやシネフィルではなく、ただの映画ファン止まりな僕には解説がないとわかりません。


が、マカロニ・ウエスタン映画へのオマージュといえるような冒頭シーンはニヤリとしました。


②バイオレンス・アクションも満載でした。頭皮を剥ぐシーンなんかもあるんでグロいの苦手な方にはきついかも。ほかのナチを扱った映画と違い、バスターズ(ユダヤ系の集団)がナチを虐殺して回る皮肉のたっぷりの映画になっています。


③お得意の長い会話シーンもたっぷりです。映画の半分以上は会話劇です。これの多くはランダ大佐と誰かの会話になるんだけど、緊張感が半端ない。ランダ大佐はすでに見透かしていているんじゃないか、いつどうやって本題を切り出してくるんだろうとドキドキしながら見ていました。


彼の過去の作品を楽しめる人なら間違いなく楽しめる作品となってました。ほかのアメリカの映画のように全世界の人が英語を話してたりせず、ドイツ人はドイツ語を話し、フランス人はフランス語を話し、アメリカ人は英語を話します。ただバスターズがイタリア語を話す(?)くだりは可笑しくて笑っちゃいますけど。


それからブラピ演じるレイン中尉が映画の最後でいう台詞は、タランティーノから観てる客に対するメッセージなんじゃないかな~って思いました。


しかし彼の作品を知らないけど、流行ってるみたいだから観に行こうって人は注意が必要です。152分とちょっと長い映画なんでね。


映画館出たエスカレータで前のカップルが「何が面白いか分からなかったし、ちょっとグロいし・・・。」と話してましたしね。「ごくせん」や「花より男子」をデートで見る程度のカップルなら、大人しく12月にやる「のだめ」でも見てりゃいいんだよ。




<評価>☆☆☆☆








「泣ける」を売りにしている映画は映画館であまり見ないようにしてるんで、久しぶり に映画館で号泣してしまいました。


主人公の少女アナには、白血病の姉ケイトがいる。アナは彼女の治療のために遺伝子を操作して生まれたのだ。今までずっと血液や臓器の提供をしてきたが、もう姉の為に手術を受けるのは嫌だ、自分の体は自分で守りたいと両親を相手に訴訟を起こす。というお話。


非常に良い作品で、鑑賞後にあれこれ考えさせられる映画でした。


オープニングのナレーションから一筋縄ではいかないなと思わされます。


アナの訴えることは非常に良く分かるし、キャメロン・ディアス演じる母の「姉を助けたくないの!?」という気持ちも良く分かる。そして徐々に分かっていくアナとケイトの関係。そう、アナはケイトのことが大好きなのだ。じゃあ、なんで移植手術を拒否するのさ!って思いながら見てました。


非常に丁寧に心理描写されているので、家族みんなのそれぞれの気持ちが良く分かり、何度も涙腺を刺激してきます。後半一時間くらいは10分置きくらいに号泣シーンがきて、嗚咽を抑えるのがやっと。勘弁してください!って思ったくらい。しかし悲しいのでなく、それぞれの愛の形に感動するわけでどんどんストーリーに引き込まれていきます。


特に父ちゃん。母親とは異なり、私たちが間違っていたのかもしれないと考え、両親に反発し訴えたアナにも配慮する。ケイトがドレスアップして階段から降りてくるシーンも一人家族から離れて、楽しそうにケイトを囲む家族を見守っているんですよね。言葉を発せずとも、暖かく家族を見守る姿勢が素敵で感動しました。


いくつも泣いたシーンはあるんだけど、やはり最後の病室でのケイトと母親のシーン。それまで、何が何でも諦めずにケイトの為に行動してきた母。そんな母にケイトからプレゼントが渡されるんだけど、そこで本当はケイトが母親を救う物語だったんだと分かり、キャメロン演じる母と一緒に嗚咽しちゃう僕。いやぁホントに久々に映画館で泣きまくった。


だけど、時系列が飛び飛びで、ナレーションもコロコロ変わるのがちょっと気になりました。


しかし、それを差し引いても今年トップクラスの良い作品でした。




<評価>☆☆☆☆