ANA432便。それに乗った直後に奴は突如、牙を向いた。
全身に蟻が這いつくばっている感覚。
毛穴という毛穴から日汗が滲み出る。
「これが悪寒なの…?」
敬太は嫌な胸騒ぎと共に目を閉じた。
寝てやり過ごそう。
しかし、ほとばしるそれは容赦なく、体調不良街道真っしぐら。
K「お手洗いに行きたい」
CA「ダメ」
K「ジーザス…。」
大丈夫だ。餅つけ漏れ。
離陸して5分したらベルト着用サインが消えてトイレにいけるから。
念のためにエチケット袋を用意して………ん?
内なるK「決壊するぞー‼」
オロロロロロ。
ジョーンズのテーマソングと共にそいつは俺の食道を駆け上がった。
俺は前持って用意したエチケット袋に奴をダンクシュート。
おかわりが来たのでまたダンクシュート。
さらにおかわりが来たのでまたまたダンクシュート。
もうおなか一杯だよ。
とエチケット袋は言う。
いや、おなか空っぽだよ。
俺は言う。
大衆の面前で醜態を晒して心も身体もノドもズタボロの俺に追い討ちをかけるように、CAさんが、
「貴方のそれ、お預かりします」
やめて。醜態を晒したのに、赤の他人の可愛い貴方に、私のそれなどをお処理などされたら私は生きていけない。
という想いは虚しく没収。
ひどいよ…。
はずかぴー。
ブログ用の写メは撮り忘れたよ。
さぁみんな。
俺のこと、慰めな。
準備はいいか?
よーい、スタート。
ps.明日はライブだ。
けいた