【書評】股旅フットボール
股旅フットボール―地域リーグから見たJリーグ「百年構想」の光と影/宇都宮 徹壱
みなさんお馴染みの「sportsnavi
」にもコラムを寄稿されている
宇都宮徹壱氏の最新刊です。
副題が「地域リーグから見たJリーグ百年構想の光と影」と
なっておりますが、本書では、Jリーグや日本サッカー界が
掲げる華やかな夢や希望だけでなく、JFLへの登竜門である
全国地域リーグ決勝大会の旧態依然としたレギュレーションや、
Jリーグ(J2)の拡大の方向性、天皇杯の存在意義など、
数々の矛盾や弊害などについても贔屓目なしで掘り下げた
ものになっております。
読んだ感想としては、正直、下手にJの試合を見に行くより、
は る か に 面 白 い です。
一旦手に取れば、最後まで一気読みしてしまう事請け合いです。
そして何より、読み終わると今まで以上にサッカーに(特に地域リーグに)
惹かれ興味が沸いてしまう、そんな内容に仕上がっております。
本書では、各クラブのプレイヤーや監督など、現場の人間
だけでなく、クラブ運営に携わる関係者や経営陣などのフロント、
更には地方自治体にまでスポットを当てているため、
地域リーグにおける選手の確保やゲームマネジメントの難しさ、
クラブ経営やサッカーをする環境を整備するにあたっての厳しい
現実などが詳細に紹介されており、よりリアリティの溢れた、
夢物語だけでは終わらない、非常にシビアな世界を垣間見る
事ができます。
先日、Jリーグの理事会よりJ2を最大で22チーム化するという
方針の発表がありましたが、22チームとなると(現在は15チームなので)
あと7チーム分の椅子が残されている事になります。
果たして、どのクラブがここに滑り込んで来るのか、本書を
片手に、地域リーグにも目を向けてみるのも面白いかもしれません。
サッカー好きなみなさんに是非お薦めしたい本です。
どうぞご一読ください。
・・・ところで、本書を読んで知ったのですが、V・ファーレン長崎は
「ヴィファーレン長崎」と読むのですね。。ずっと「ブイファーレン」と
読むと勝手に思っておりました。(長崎サポの方、すみません・・・)
<本書で紹介されているクラブチーム>
1.グルージャ盛岡
2.V・ファーレン長崎
3.ファジアーノ岡山
4.ツエーゲン金沢
5.カマタマーレ讃岐
6.FC岐阜
7.FC MioびわこKusatsu
8.FC町田ゼルビア
9.ノルブリッツ北海道FC
10.とかちフェアスカイジェネシス
※本書は2005~2007年に取材したクラブをまとめたものに
なっており、取材当時に地域リーグに所属していたクラブが
紹介されておりますが、既にFC岐阜はJ2に、岡山とびわこは
JFLに昇格しております。
<Jリーグ入りを目指すクラブの状況>
【JFL
(8/3現在)】
1位 52 栃木SC
3位 43 ファジアーノ岡山
4位 42 カターレ富山
――――(↑J昇格圏内↑)――――
7位 35 ガイナーレ鳥取
8位 34 ニューウェーブ北九州
12位 27 MIOびわこ草津
15位 22 FC琉球
【北海道サッカーリーグ1部(7/13現在)】
1位 23 ノルブリッツ北海道FC
2位 22 札幌蹴球団
3位 20 トヨタ自動車北海道サッカー部
≪地域決勝・出場枠1≫
【東北サッカーリーグ1部
(7/13現在)】
1位 26 グルージャ盛岡
2位 19 NECトーキン
3位 18 FCプリメーロ
≪地域決勝・出場枠1≫
【北信越サッカーリーグ1部
(7/27現在)】
1位 31 JAPAN.S.C
2位 29 AC長野パルセイロ
3位 27 ツエーゲン金沢
4位 21 松本山雅FC
≪地域決勝・出場枠1≫
【関東サッカーリーグ1部
(8/3現在)】
1位 35 FC町田ゼルビア
2位 26 日立栃木ウーヴァ
3位 20 NPO横浜スポーツ&カルチャークラブ
≪地域決勝・出場枠1≫
【東海サッカーリーグ1部(7/20現在)】
1位 22 静岡FC
2位 21 矢崎バレンテ
3位 20 藤枝市役所
≪地域決勝・出場枠1≫
【関西サッカーリーグ1部
(全日程終了)】
1位 40 バンティオンセ加古川
2位 28 アイン食品
3位 21 三洋電機洲本
≪地域決勝・出場枠2≫
【中国サッカーリーグ1部
(8/3現在)】
1位 31 レノファ山口
2位 26 NTN岡山
3位 23 佐川急便中国
≪地域決勝・出場枠2≫
【四国サッカーリーグ1部(7/20現在)】
1位 31 カマタマーレ讃岐
2位 29 徳島ヴォルティス・アマチュア
3位 16 南国高知FC
≪地域決勝・出場枠1≫
【九州サッカーリーグ1部
(7/27現在)】
1位 39 V・ファーレン長崎
2位 39 ホンダロック
3位 38 沖縄かりゆしFC
≪地域決勝・出場枠2≫
まだまだシーズン途中の結果ですが、こう見てみると、
全国的にJを目指すクラブが地域リーグの上位を占めており、
今年の全国地域リーグ決勝大会も激戦となりそうな予感ですね。
非常に楽しみです。
(全国進出が既に決定、もしくは有力視されるチームの中では、
北信越のJAPAN.S.C、関西のアイン食品、中国のNTN岡山、
九州のホンダロック以外は全てJを目指すクラブで埋まりそうな感じ)
本書を読んで、今年は全国地域リーグ決勝大会でも観に行って
みるか~、と思ったら、今年の決勝ラウンドは沖縄開催ですか・・・。
宇都宮徹壱氏のレポートに期待しましょう。