分娩室というのは「あとは産むだけ」の状態で入るので
ふつうそんなに長時間いることはありません。
さて、「ようやく終わりが見えた~」と、最後の力を振り絞り、
分娩台で「ぎゅあああああ」
とふんばること約2時間。
しかし、赤ん坊はなかなか出てきません。
既に飲まず食わず眠らずで2日過ごしているわけで、
体力が残っていやしない。
手も足もしびれて力が入らなくなり、
ポジションを変えてやってみましたがやっぱり出ない。
うちのムスコ、ひじょーにゆっくりゆっくり降りてきているようです。
もうこれ以上ムリ!!とグッタリしたところで
助産師さんと旦那の間で今後の対策が検討されます。
①赤ん坊の心音は確かなので、このまま何時間かかってもいいから自然分娩を続ける
②陣痛促進剤を少し使い、強い陣痛を選んで一気にふんばって出す
③かんしか吸引で引っ張り出す
①→「冗談じゃないぜ!」
②→「もう、ふんばれないって言ってるだろ!」
③→「それでいいから今すぐ出してくれ!」
というのがワタシの心の叫び。
助産師さんは①をすすめるも、気力ゼロ。
③は子どもに何かあった時の緊急処置なので却下。
結局ワタシの状態を見て旦那が冷静に②を選択、
破水していることもあり医者も②と判断。
点滴で促進剤を注入するも、これ、効いてくるのに時間かかるんです。
その間「陣痛がきたらなるべく逃してください」と言われるも
ムリだっちゅーの!!
旦那の手に食いつきひたすら耐えます
朝6時、担当医がおっとり刀で到着。
分娩室が急に物々しく慌しくなります。
医者、いきなり局部にぷすりと麻酔。
会陰切開は本当は抵抗があったんですが、
この時はもう早く出るなら何でもいいというか
「とっとと切っておくれぃ!」状態。
「あと1回くらいで生まれますよ」
と言われ、そーカンタンではなかったけれど
3回くらい?でようやくズルンと誕生!!!
「3/1日 7時2分 2850g 男子誕生」
(と、先生が芝居気たっぷりで言ってくれるも、旦那ビデオ撮りを失敗する)
『ほんぎゃー!ふえっふえっふえっふえっ』
とぶじ産声が聞こえ、
「やっと終わった…」
と安心しました。
処置台の上からじっとこっちを見ている赤ん坊は、
切れ長のツリ目で、エキゾチックな美人さん。(※注 男子です)
ワタシも旦那様もタレ目なので
「はて、誰に似たのだ?」と不思議に思ふ。
カンガルーだっこした赤ん坊の頭をくんくん嗅ぐと、
羊水のニオイなのか、青臭い草のようなかほり。
さっきまでお腹の中にいた赤ん坊が今目の前にいること、
さらに言えば10ヶ月お腹の中で成長して、
ちゃーんと人間のカタチで生まれること、
なんだか全てがとても不思議なことだなーと思いました。
よく出産の痛みを何かに例えたりするけれど、
ワタシの場合 その前の陣痛の痛い&しんどい時間が長すぎたせいか
出産自体の痛みはなんだかよく覚えていないのです
いやー、すごい体験だった。
二度とやりたくないねえ~アタシ的には…。