当然の事ではあるが、外国人野手に求めるものは打撃力。日本人にはないパワーで長打、特に本塁打を求められる。ではその本塁打は果たしてチームの優勝にどれだけリンクしてくるのか?
この10年間で本塁打王を輩出したチームが優勝したのは、15年ヤクルト(山田38本)だけ。バレンティンが日本記録の60本を打った年でさえヤクルトは優勝していない。ちなみに15年のヤクルトは首位打者が川端、打点王が畠山と3部門を独占したが、その年バレンティンは故障が相次ぎ15試合の出場にとどまっている。バレンティンは敵チームにとって脅威の助っ人だが、チームの優勝という点から見れば貢献できていないと言っても過言ではない。
ジャイアンツも毎年外国人のパワーを求めて補強し獲得してくるが、実際に活躍しているのは既に日本で実績を作っている選手ばかりという現状。本塁打王は04年のローズ、10年のラミレス(打点王と二冠)が獲得しているが共に優勝は逃している。3連覇している広島はどうか?エルドレットが本塁打王を獲得した14年が3位。話は逸れるが次年度15年はジョンソンが防御率、前田健太が最多勝で4位なのである。そして前田健太が抜けた次の年から3連覇を果たしている。

ジャイアンツはこの4年間優勝を逃しているが、その間に獲得した外国人野手は決して満足のいく成績ではなかった。マギーはまずまずの成績ではあったが、守備力と走力を考えたらラミレスぐらい打ってくれないと評価は下がる。クルーズの守備力は評価されたが所詮ハンドリングの上手さだけで、守備範囲でいうと菊池の半分と言っても過言ではなかった。そして中日から鳴り物入りで移籍してきたゲレーロである。無責任な評論家は「ナゴヤドームで35本なら狭い東京ドームだともっと打つ」と口を揃えて言っていた。勘弁してほしい。その狭いと言われる東京ドームを本拠地にしているジャイアンツからの本塁打王は前述書いた通りである。そしてそのゲレーロは去年も今年も成績不振でファームに落とされる経験をすることになるのである。
17年オフ、ゲレーロ獲得の記事が出たとき、ジャイアンツOBの森祇晶氏は不確定要素のホームランを期待する補強に苦言を呈していた。それよりも投手を中心とした守りや走塁にもっと力を入れるべきだと唱えていた。
現在、奇しくもその言葉通りとなっている訳だが、去年までと違うのは5番以降の選手に走力のある選手が入った為、ヒット3本で満塁といった野球盤のような野球ではなくなった。それでもたまに打つホームランの魅力にゲレーロを使い続ける事になってしまっている。しかしゲレーロの守備力と走力では全く満足のいく打撃成績ではないのだ。
そこで私がスポットを当てたいのがビヤヌエバである。この外国人野手、ジャイアンツの助っ人では珍しい守備力と走力を持った外国人。しかも今年でまだ28歳と若い。同じ打たないのであれば下位でゲレーロを置くより守備力と走力のあるビヤヌエバを使った方が当然戦力になる。彼に必要なのは日本の投手に対する慣れだけだ。
彼は今年単年の契約だが、私は絶対に契約を延長し来季の戦力と考えるべきであると思う。この8月からの戦いも私はビヤヌエバを使い続ける選択をしてほしいと思っている。そうすれば岡本を他の選手の配置によって守備を変える事もなく一塁で腰を据えて使う事もできるからだ。
最後に阿部一塁スタメン解禁の記事を見たが、それは1つのオプションとしてビヤヌエバとの併用も良いと思う。後半ビヤヌエバは守備固めでも使えるからだ。しかしもうゲレーロは見切りをつけてほしい。ただ悲しいかなジャイアンツには信頼できる右打者の外野手がいないのも事実。石川、陽岱鋼の奮起を期待するしかないが、左打者の外野手が偏って多いというドラフト戦略がここに来て頭の痛い現状なのだ。大田、和田恋が勿体無いと考えても仕方がない。
今こそゲレーロ必要なしと言えるだけの活躍を見せてくれる外野手が出てきてくれることを心から望む。