ピアニストを撃つな!

園子温監督の作品は観たことが無かったけど、これが園ワールドなのかなと。

ひたすら走り、逃げるフジコと、追いかける大門、ジョー、そして手下たち。

フジコちゃんの腕っぷしの強さも、見どころ?!

強いよねぇ。彼女。

お祭りのシーンは、とても手がかかっていて、あれを撮影するのは多くのプロの人たちのお仕事だなぁ、と感じた。

ちょっとタイミングずれたら、全てがおかしくなっちゃう。

吾郎さんの美しさと指の美しさとが見どころの一つ。

ピアニスト役、似合ってた。

フジコ、とてもかわいかったし、強引で品は良くないけど魅力的。

とにかくパワーを感じる世界だった。

大門とジョーの関係性が好き。

大門は、なんだかんだ情があるよね。

このエピソードと剛くんが出るエピソード3は、つながっていた。

3回目くらいで気づいたよ。

フジコを追いかけるジョーが電話を受けているんだけど、その時のセリフが、「工藤さんいなくなって大変なんですよ」(多分)って。

大門と工藤は同じ組の人間だったってことが、既にエピソード1で示唆されてたんだ。

暴れる大門をしり目に、ジョーが中々目を覚まさないのは、エピソード4でも、KUSO UNIVERSEで眠っていたのは、何の意味があるんだろう?

それと、デートしていた熱帯園は、「僕の生きる道」で、秀雄さんとみどりさんが、独身最後のデートをした場所よね。

金婚式を迎える夫婦の、写真を頼まれたところ。

ピアニストにとって、命の指をつぶされる!!というところで終わり。

 

エピソード2

とってもとってもファンタジーなのに、とってもとっても現実味を感じるお話し。

SMAPのファンとしては、一番胸が痛くなるお話し。

これまでの慎吾くんが出た作品の中で、一番好きかも知れない。

笑わない、暗い目をした香取慎吾。

カラフルで、「歌」を感じる絵を描く香取慎吾。

歌喰いに絵を褒められてちょっと得意げな顔が、かわいかったな。

 

持ち歌いっぱいあるんだから。

一人で、ですか?

歌えない。「あ」と「き」と「せ」。

「また逢う日まで」の詞。

色々考える。。

慎吾くんを諭した、女性刑事さんが良かったな。

慎吾くんの歌や絵を喰った後のうんこが、色とりどりだったのは、慎吾くんの歌や絵が、とっても鮮やかな色を持ってるんだなって。歌喰いが今までで一番美味しいと思ったのが、慎吾くんの子守歌だったってことも、慎吾くんの歌が、とっても魅力的だってこと。

エピソード4で、これらを使ってレインボーベーグルの作り方を教えていたマッチョなパン職人さんは、キーヨさんにお誕生日プレゼント、と言ってピストル渡した人、よね?

教わっていたのは、女性刑事さん。

大門やオサムとも関係があったりするんだろうか。

キーヨさんとキーヨさんのマネージャーさんが良かった。

歌えるようになったキーヨさんを見るマネージャーさんの表情が良かった。一緒に笑ってるスタッフさんたちが良かった。

歌喰いに歌を食べられちゃったストリートミュージシャンさんとライブハウスの男性は、歌を取り戻せてないんだよねぇ。。?

 

エピソード3

正直、監督が爆問の太田さんと知って、ハードル下げてた。

ごめんなさい!!!!って感じ。

すごく良かった。

しょっぱなのどアップのオサムの表情に引き込まれ。

美人局の相手を脅す声と表情に引き込まれ。

泣き叫ぶ裕子を見る目がどんどん悲しい表情になっていく様子に引き込まれ。

ぶたれてもぶたれても動じないオサムの様子に引き込まれ。

爆問太田さんらしい、時事ネタ漫才のようなやりとりに引き込まれ。

尾野真千子さんが上手い!

二人の掛け合いが、素晴らしかった。もっともっと見たかった。

剛くんのお芝居を、もっともっと見たくなった。

航が、もうこれ以上は難しい。と告げられた時のオサムの顔。

父親の顔だった。

パパみたいになるんじゃないよって言い続けていたということは、全く父親らしいことはしてこなかったんだろうけど、父親としての愛情をしっかり持っていたんだということがしっかり伝わる顔だった。

にこにこ笑いながら、パパみたいにはならない!と言う航を見ると、本当にそう思っているわけでは無いのだろうな、って思うし、パパみたいになるんじゃないよ!って言っている裕子も本当はそう思っているわけでは無くて、ずっとずっと愛情持ち続けているのかかな。って思った。

どんなに罵倒し合っても、決して離れることのない二人。

大事な、愛する息子の右腕を探す旅の為に、組を抜け、指を失くした。

航の右腕を受け継いだ光ちゃん。

とってもいい子で。光ちゃんと裕子の会話は、何度見ても涙が出る。

裕子の気持ちを慮って、右手で裕子の髪をなでる光ちゃん。

最後の、光ちゃんの投げた速球がおでこに命中したのは、ご愛敬!?

痛えぞ!航!!!!!!で。吹っ切れたのかな。。

 

エピソード4

最初は、ゴローは指を失わず済んで、フジコと上手くいき。

慎吾くんは元の歌は取り戻せなかったけれど、新しい歌を手に入れて。

オサムは大門に改めて礼を言うことが出来。

大門は正々堂々とフジコを取り戻すことを宣言して。

幸せで明るい未来を手に入れたように見えた。

多幸感にあふれたラストだと思った。

 

んだけど。その後の吾郎さんと剛くんの歌をバックに繰り広げられる映像のことは、あんまり考えなかったのだけど。

舞台あいさつで、KUSO UNIVERSEの世界が、実は夢なのかも。

というようなことを言っていたというのを読んで。

とっても背筋が凍った。

慎吾くんが新しい歌を歌えるようになったのは夢で。

ゴローが指を失わずに済んだのも幻で。

・・・なぜなら、大門は、指を失っていない。

だって、オサムから電話を受けたのは、恐らくフジコを失った後。

光ちゃんを誘拐した男の後頭部にボールを投げたのは大門で、その時の大門は、機械の手では無い。

歌喰いは、遊星が地球にぶつかりそうになった時に、消えたのかな。遊星を消すために、消えたのかな。

キャンディが地面に落ちたのは、歌喰いが存在しなくなったから。

…だったら、もう誰も、歌を失うことは無いのかな?

エンディングでは、慎吾くんは絵は描けているけど、歌は歌えて無さそうだけど、これから歌えるようになるのかな?

キーヨさんは、現実社会で、自分自身の歌を取り戻していたけれど、慎吾くんは、夢の世界でさえ、新しい歌は歌えているけど、自分の歌は取り戻せていない。

今は、「1人」、だから?

外では歌ったらいいじゃないですか、と刑事さんに言われたときに、1人ですか?と問うていたから。

ゴローさんは、笑顔で電話しているけど、相手はフジコではないし、左手を見るときの顔が曇っている。

工藤夫妻は、笑顔でキャッチボールしている。けど。

夫婦のきずな、本当に取り戻せたのかな?

 

いろんな解釈が出来る、伏線がある。

Twitter見てたら、全然気づかなかったようなことに気づいて、いろんな解釈が載ってる。

面白い。

この映画が、たった2週間で公開が終わっちゃうなんて。

春休みの映画とGWの映画のはざまに何とかねじ込んだって感じなんだろうけど。

今の事務所の力では、ここまでが精一杯かしら。。

でも、本当に多くの方の協力によって制作された映画。

見知った名前がエンディングロールにたくさん。

 

ちょっとだけ。

役柄的に、しょうがないのだけど、剛くんにも、歌って踊って欲しかったな。

KUSO UNIVERSEで、剛くん歌わないから。

オサムの役柄に、一ミリの不満も無い。けど。私は剛くんの歌とダンスが大好きだから。

確かにね、音程は不安定だけど。でも、大好きなんだ。

 

観客動員数が、大幅に期待より多くて、興行収入も、予定より多かっただろう。

第2段、あるかな?

また、閑散期にするりと、公開するかな?

明日の夜、剛くんのYouTubeで生配信あるみたいだけど、その時に嬉しいお知らせもあったりするかな。

第2段でなくても、円盤化のお知らせとか。

あったらいいなぁ。