幽霊ホテルかよ | 見えない世界の真実が此処に®

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霊能力を生業としている方や、一般の方、霊媒体質の方のためのブログです。

仕事を終え、酷く疲れた佐々木は急遽会社から手配してもらったホテルに向かった。

 

着いてみると昭和のにおいがするビジネスホテルだった。フロントで手続きを済ませ、エレベーターに乗った。


 

うん?


 

霊感の強い佐々木は、ホテルに入った時に感じた「何か」とは違う感覚をエレベーターの中で感じた。


 

いつも持ち歩いている出張用のカバンがやけに重く感じた。

 

あまりの重さに、部屋の前に立った時には、左手でカバンを持つことが難しくなり左脇にカバンの紐をなんとか挟み、右手でポケットの鍵を探してやっと部屋の鍵を開けた。


 

部屋に入ると中は真っ暗だった。電気を付けると、右手になぜかボイラーがむき出しのまま置いてあった。古い小さな台所もあった。左手にはお風呂場があった。

 

ここは昔はマンションだったのかもしれないな。

 

台所のある玄関にはこれまた昭和時代だろうという引き戸がり少し力を入れ、横にずらすと、だだっ広い空間が目の前にあった。これは、20畳ぐらいあるだろうか。広いな。

 

ベッドの横に4畳半の畳がフローリングの上に直に引いてある。そして簡単な応接セットもあった。

 

とにかく重いカバンを椅子に置き、ジャケットをハンガーにかけようとすると、壁にカビが生えているのが目についた。


 

なんだよこれは・・・佐々木は、そうは思ったがハンガーがかけられる場所はそこしかなかった。

 

疲れ果てていた佐々木はしかたなくそこにジャケットをかけ、ネクタイを外した。


 

もうかれこれ2年くらい出張族となっている佐々木は、ホテル暮らしにすっかりなれていた。

 

カビの臭いが気にはなったが、ワイシャツを脱ぎながらお風呂に栓をして、お湯を張り始めた・・・。


 

と、その時、トントントンという音が玄関からした。女性の囁き声も聞こえたような気がした。


 

はいー!


 

フロントに忘れ物でもしたのかもしれない。

 

佐々木は、お風呂場の中から急いで玄関に向かった。


 

ガチャッと、ドアを開けたが、誰もいない。

 

うーん、そうか上の階の音だったのかもしれない。


 

さっきから足音もするしな・・・。


 

テレビをつけ、靴下を脱ぐとすぐにテーブルの上に足を投げ出した。

 

携帯電話にメールがきていないかチェックし、コンビニで買ってきたビールで喉を潤おした。



 

しばらくボーとテレビを見た。もうお風呂は溜まったかもしれないと、のぞきにいくと、まだまだだった。

 

あれ?栓がずれてしまったかな?


 

お湯の中に手を入れ、たしかめると、しっかりと栓ははまっていた。


 

なんだよ!もう・・・。



 

濡れてしまった手をタオルで拭こうとすると、いきなり鳥肌が立った。


 

右手に長い黒い髪の毛が纏わりついていたのだ。


 

うん!? 本当にこのホテルは・・・。

 

清掃が行き渡っていない。まあ、一晩だけだしな。半ば諦めた。



 

さらにテレビを見て時間を潰した。


 

もう、いいだろう!とお風呂を見に行くと、まだ溜まっていない。


 

はぁ・・・。


 

佐々木はお風呂に入るのをやめようかとも思ったが、携帯のゲームで時間を潰すことにした。

 

気がつくと、お風呂場からお湯が溢れる音がしていた。



 

いけねいけね。

 

パンツを脱ぎ、裸になると、お湯が溢れるのも構わずに湯船に入った。



 

はぁー。今日も頑張ったなー。


 

佐々木は、明日の予定を頭の中で考え始めた。


 

と・・・。お、おい!まじかよ!!



 

考え事をしながら目の前のタイルにふと目をやると、そこに長い黒い髪の毛が10本ほどコビリツイテいた。


 

な・・・。もう許せない!


 

急いで体を洗い、髪の毛を洗うと、佐々木は急いで体を拭き、フロントに電話した。


 

まったく・・・。いくら田舎のビジネスホテルでもこれは許せない!

 

フロントが出たらどなってやる。


 

しかし、いくら鳴らしてもフロントは出なかった。


 

フロントまで降りていくのも面倒だし、なによりビールが効いてきていた。


 

くそ!明日の朝、絶対にどなってやる!


 

時計を見ると、すでに12時を回っていた。

 

ベッドの上に準備してあった浴衣を身にまとうと、下着をつけずにベッドに入り込んだ。


 

まったく、気味が悪いな・・・。それにしても、あんな長い髪の毛が見えないなんて、清掃係のヤツはロクデモナイ!第一、フロントの男性は全く愛想が無かった。会社に言って、このホテルは二度と泊まらないぞ。



 

そんな事を考えながら眠りに落ちようとした時だった。


 

キッヒヒヒヒ

 

ヒヒヒヒィ

 

ヒヒヒィ



 

明らかに女性の声が耳元で聞こえた。


 

え!!!


 

この感覚は分かる!

 

う・・・・



 

声は出ない。身体も動かない。長い髪の毛が頬を伝う―――。

 

金縛りだ―――!



 

翌朝。寝た気がしない、そしてぐったりとした身体で、佐々木はフロントに怒鳴り込んだ。


 

風呂場のお湯は溜まるのが遅すぎるのでは!!

 

それに、昨日の夜、金縛りにあったんだ!

 

上の階は足音がうるさかった!!

 

フロントは電話に出やしない!

 

二度と泊まるかこんな所!



 

思いのたけをひと通り叫んだが、フロントの男性は冷静に応えた。


 

あのー、あなたの上の階と言いますけれど、あなたの部屋は最上階です。

 

それにあの部屋のお風呂はすぐに溜まるはずですよ?

 

昨日の夜はフロントに電話があったのは他のお客様からだけです。



 

なんだよ!?

 

幽霊ホテルかよ―――。



 

(続かない)


 

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