踊り子と探偵とパリを


小路幸也





1920年代、狂乱のパリ。作家志望のイギリス青年ユージンは、呪われた赤いダイヤの噂を聞きつける。アメリカ人探偵マークと共に、謎の宝石を狙って人気随一のキャバレーに乗り込むが、焔の色の瞳を持つ美貌の踊り子ブランシェにユージンは一目ぼれしてしまい…。ミステリアスな展開に息つく暇もない恋と友情の華麗なる冒険物語。






パリを舞台に、ボーイミーツガール。

真実の愛で砂糖吐くほど。


好きなんだよなあ、好きなんだよ、小路さんの作品は。無条件に好き。


こんなにもスマートな人間がいますか?

こんなにも心が優しい人間がいますか?


かっこいい男性陣と美しい女性陣。


まあ、冷静に思えば1番の山場をサラッと流してしまうのは残念でしたね。そのために読んでたんじゃないの…??って感じでしたし。展開も御都合主義すぎるって話進むたびに思ってました。


こういうことは、言い出したらキリがないですね。探偵だったらそんなにペラペラ喋らないだろ?御曹司がパリで作家だ?最後の最後にファンタジー交えて来て……と。


でも、全部ひっくるめて、日常的だけど、どこか非日常に導いてくれる小路さんの作品が私は好みなんです。


物語をじっくりと味わうよりかは、難しいこと抜きに雰囲気にどっぷりと浸かってほしい。もちろん今作も若干ミステリーちっくな部分があって、ネル・カサディバスの陰謀を暴く!というダークさが全面に出てます。

だけど!


パリ、薔薇、踊り子、キャバレー、古き良き時代。愛のために、青年が、探偵が、仲間が。呪われた宝石を、恋人を、男爵を。


キラキラ乙女モチーフたっぷり楽しんでくださいっ!!