ピンクとグレー


加藤シゲアキ








大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが…。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。















作者は言わずと知れたジャニーズ事務所所属、アイドルグループNEWSメンバーの中の1人ですね。ただ、アイドルが書いたというよりはちゃんと、作家さんとして活動ができる人なんじゃないかなと感じました。


なんども繰り返すように私はこのブログに書いてるんですが、ミステリー以外の本ってどうも完全にのめり込めない人なんです。でも、この本はラストどうなっていくんだろう??と、とても興味を持ち一気に読み終えました。(珍しい)


男友達の友情と芸能界の格差がテーマになっています。友達ってどんなときでも一緒にいるものなのかなって思ってたけど、ごっちとリバちゃんの関係性を見てると離れてしまっても、自分の窮地の時に時として現れ再開できることなのかなあと。そして自分の価値はなんだろう。


終わり方については、賛否両論、色々な意見が飛び交っていますが私は納得してる派です。終盤、河鳥大が白木蓮吾を演じつつ、ごっち追いかけ(やり切った感)そのままリバちゃんも同じく首吊りした……と解釈しています。


美しいものは美しくあるべきだし、そもそもごっちが傲慢になっていくよりも首吊りしたことに選択の意義を理解しました。


こんな意見を書いていると、やっぱり私は暗いミステリーを好んでいますね。


芸能界にいる人間だからこそ書けたリアリティさが今回は良かったのかもしれません。ジャニーズとは思えないような繊細な感性があるんだなあ、と純粋に思いました。他の著書も読んでみたいですね。