声のお仕事

川端裕人






二十代後半にして代表作がない崖っぷち声優の結城勇樹。背水の陣で臨んだ野球アニメ「センターライン」のオーディションで出会ったのは、同世代の人気声優、大島啓吾だった。現場で顔を合わせたことのない結城と、いっしょに仕事がしたいという大島。その理由は、二人の過去にあった。声優たちの世界に光をあてたリアルな青春お仕事小説












声のお仕事。つまりは声優についてのお仕事小説です。今や空前の声優ブームと言ってもいいくらいですよね。アニメそのもののキャラクターも好きだけど、声優にほれ込んでいる人が多い多い。声優ありきでアニメを選ぶなんて当たり前なんですね。


 ですが、私、個人としてはキャラクターはキャラクターとして捉えていて、あまり…というかほとんど声優さんに興味がなくて…。中の人は知りたくない派です。しかし、この本は読んだという矛盾人間。


 


 


さて、気になる内容の感想は。


軽い。さっくさく読めてしまいます。本嫌いの人も是非どうぞ。


声優楽しそうだけどごく1部の人しか儲からなそー。需要と供給があってないw


と、真っ先に感じました。そして、作中作が野球アニメだったのであまり楽しめず。


知らなかったこともたくさんありましたね。マイクアクション。アフレコやるのに一人一本マイクが当て振られるのかと思ってたんですけどそうでないみたいだし。主役キャラ以外のお当番回だったり。養成所放浪者の話は結構辛いですね。実力はあるのに目が出ないでどこで自分を見切るのかって。声優陣が勝手にコミサで売る同人もの作ってたけど、こういうのって現実世界でもあり得るんでしょうか。さりげなくタチネコの話とか出てきてやっぱりアニメの世界って歪んでると感じます。



柴犬サブ役の結城さんにはぜひとも動物のスペシャリストになってもらいたいです。ポケモンとかかならず呼ばれるくらいに。笑



作者の方が本当によく取材をしたのだなと思える一冊でしたが、小説としての完成度はそこまで高くないです。これこそアニメにすれば面白いのに。声優さんが声優を演じてさらに作中作のセンターラインを演じるって面白くないですか??