魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?


東川篤哉



美貌で美脚。傍若無人のキャリア系女子・椿木綾乃警部。実はキレ者?それともただの変態?小山田聡介刑事。魔法使い少女マリィ。謎と魔法のユーモア・ミステリー。





タイトル長い 笑

東川さんおもしろいじゃん!と思って魔法使いシリーズに手を出してみました。4つの短編集。(一服堂読んでたときはあんまりおもしろいと思わなかったけど、あの時期は本格志向だったからだね)


このシリーズは探偵ではなく、魔法使いと刑事さんが活躍します。テンポよく進んで、あり得ない設定だったり、無理がある!って設定なんだけど、まあ登場人物に魔法使いってことでご愛嬌。それでも事件の1つ1つはしっかりしています。そしてどれも犯人がわかっていて追い詰めて行く倒叙物。いわゆるアリバイ崩しです。


「魔法使いとさかさまの部屋」

妻の不倫が我慢できず、殺す。体が不自由な人は殺害なんて出来ないと容疑者から除外されるのか。アリバイに使われた友人らも立場がないみたいだ。


「魔法使いと失くしたボタン」

完全犯罪かと思いきやボタンの発見によって刑事が真相を見抜く。抜かりなく現場から立ち去る、殺害に必要な道具の処理は難しい。


「魔法使いと2つの署名」

ホームズ4つの署名パロディかと思いきや全くの別物。他人の筆跡は練習すればバレない。筆跡鑑定はどこまで当てになるのか。左利き用の万年筆とは。


「魔法使いと代打男のアリバイ」

朝刊スポーツ新聞の記事差し替えがトリックに。なるほどと感じた新聞制作とその輸送。瓜二つの人間は確保しておくべきか。