「あらゆる芸術行為の95%は

慣れであり習得可能であるが、

それが問題ではなく、

もっぱら残りの5%が

問題なのである。」


(レフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ)



経験から言えば、単に「芸術」の技術(デッサン力、造形力、アイディア)が

優れた人物は、美大どころか美大予備校にもたくさんいる。

(※あくまで「素人から見て」ということじゃが)


儂も美大予備校に入ったばかりの頃は、先輩のデッサンを見て

「何でこんな凄い人がこんなところに!?」と思ったものじゃ。


しかし、現代の芸術家(アーティストと呼ばれることのほうが多いが)は、

特に海外の芸術家は、技術力が凄かったとしても、それを誇示するような

作品を制作する人物は少ない。


むしろ一般の人から見れば、

「なんでこんなものがこんな高額なんだ!?」というものが多い。

(実際に世間ではそういう声が良く聞かれる)


じゃが芸術家にとっては、世間一般の意見より、

パトロン・スポンサーの意見のほうがはるかに大事なのじゃ。


だから日本の美大生が技術力向上や作品のオリジナリティの模索に励む間、

海外のアートスクールの学生は、自分の作品集作りやプレゼン力の向上、

大物芸術家や有名ギャラリー、パトロン候補者とのコネ作りにいそしむわけじゃ。


現代においては、技術力や美しさ・面白さだけでは芸術は成り立たないと言える。

(興味を持たれた方は、村上隆氏の『芸術起業論』 を読まれるとよい)


トルストイが言った「5%」の意味は、現代において多少意味合いが

変わって捉えられているかも知れぬが、


我々の心を打つ芸術は、説明もプレゼンもなしに感じられる、

「魂」がこもったものだということは、今後も変わらないであろう。

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