Part7【西ドイツのM-47?冬に穿きたいカーゴパンツ】 | ツノっちの着狂いバンド・デシネ

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フランス軍の名作ビンテージ、M-47フィールドパンツ。



いい加減、みんな飽きてきてるんじゃないのか?なんて思っていたが、まだまだ熱は冷め切っていない。
僕個人としては、通常のM-47より、リザードカモのM-47が欲しくてたまらない。
結構珍しいヤツなので、ずっとマイサイズを探している。



埼玉県は大宮にあるBackyardさんでは、精巧に再現されたM-47のレプリカが販売されていたが、そうまでして欲しいのかい?みんなは。



そんな中、またしても上野アメ横のHELLO SUNLIGHTにてスゴいカーゴパンツに出会ってしまったのだ。
そしてそいつがM-47なんか到底敵わないほどの縫製力とカッコよさだったのだ。

これはどうしても記事にするしかあるまいと、物欲と記事のネタにするという大義名分に任せて購入させていただいた。



……それにしても、当ブログでのHELLO SUNLIGHTさんの取り上げ頻度高すぎやしないか?
そろそろキックバックを支払わなきゃいけないんじゃ?って気がしてきた。



今回ご紹介するのは西ドイツ軍の名品。
ウールカーゴパンツである。




惚れ惚れするカッコ良さ。


このパンツ、世界各国の軍パンのディテールのいいとこ取りな上に、圧倒的な縫製力と、絶妙なシルエットをしている。

一つずつ解説していこう、このど変態パンツを。




まず目を引くのはこのトップボタン。



イギリス軍のグルカパンツのものにそっくりである。
さらにサイドを見てみると、ボタンアジャスターが付いており、ベルト無しでもウエストが調節できるようになっている。



次にポケットを見ていこう。
見ての通り、ポケットはアメリカ軍のM-51、M-65にそっくりである。


フラップポケットはボタンが付いているのだが、ここの縫製が素晴らしい。
軍モノでは信じられない緻密さだ。


これ、今の国内のブランドが再現しようとしたらとんでもないコストがかかるのは間違いない。
M-47の完全再現もかなりコストがかかっているそうだが、下手をしたらこのカーゴパンツもそれぐらいのコストがかかりそうだ。

そして、お待ちかねのカーゴポケットだが、コレはM-51、M-65に似ているようでかなり違う。


一番よく擦れる部分に補強のためパイピングがなされている。ここの縫製も病的なまでの緻密さだ。
さらに隠れて見えていなかったが、本家アメリカ軍のカーゴパンツには存在しない、小さなペンホルダーが縫い付けられている。
これまたとんでもなく丁寧な仕事によって、違和感なくくっついているから驚きだ。

よく、M-47の縫製力を称える声をあらゆるメディアで耳にするが、この縫製力を見ても同じことをもう一度言えるだろうか。

さらにスゴいのが、


そう、カーゴポケットから血止め紐が出てくるのだ。
本家アメリカ軍にもあるディテールだが、ここでもそれが見られる。
本当になんなんだこのパンツ。
まるで意味がわからない。
細かい仕事がいちいち素晴らしすぎて、一周回ってキレそう。


そして裾を裏返してみると、何やら不思議な紐がボタンで留められている。
では、引っ張ってみよう。




引っ張ってみると、



絞られる。



いや、ほんとなんなんだよこれ。



このパンツ一本作るのに何工程必要なんだよ。



しかしながらこのパンツはまだまだスゴい。

パンツの内側にはサスペンダーボタンもついているのだが、



このサスペンダーボタン、後ろ側はこんなことになっている。





いやいやいや、




何してくれちゃってんの?



わざわざこれをしまうためだけに鞘みたいなものを付けてるわけ?

軍事予算って知ってる?

なんでこんなディテールにしようと思ったわけ?

は?もうキレそう。



極め付けはM-47にも共通するダブルニー。
M-47の場合は本当に膝の部分だけの当て布だが、このパンツの場合は、




太腿の付け根から、すねの半ばまで贅沢に補強されている。いや本当に頭おかしい。





かくして、
M-47後期のシルエットとダブルニー、
M-51のポケットディテール、
グルカパンツのウエスト周りのディテール、

これらの要素に加え、圧倒的縫製力と肉厚ウール生地というおまけ付き。

M-47なんかよりこっちのほうが安いし、すぐ手に入る。
サイズもまだまだ選り取り見取りだ。

ちなみにデッドストックの状態で16,500円で買えたので、usedの21サイズのM-47が五万円ほどすることを考えると、正直無理してM-47を買うのが馬鹿みたいに思えてくるだろう。

知られていないだけで、ずっとずっとこっちのほうがモノとして優れている。


今日のスタイリング



Jacket
60's West German Army Cock Jacket

Shirt
Chinese Vintage

Pants
60's West German Army Wool Cargo Pants

Shoes
Unknown made in Italy



西ドイツで作るチンピラスタイル。



久しぶりにドストライクな服に出会い、着狂わずにはいられなかった。



皆さんも、自分にとってのベストなカーゴパンツを見つけていただきたい。
僕にとってはこのパンツが最上であると答えが出てしまった。



冬はコイツと、存分に着狂ってやろう。



それじゃあ、また。




《次回予告》



今回はなし。
ネタが決まっていないから。



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