豚山田の「日本を離れて日本語三昧」 -2ページ目

豚山田の「日本を離れて日本語三昧」

海外赴任をしたら時間が出来たので、電子書籍で小説を読み漁る毎日。
折角なので読書感想などを残します。。

これまで二桁回以上は繰り返し読んでおきながら、未だに読み切れていない部分があったのか、今回何と新たな発見をしてしまい嬉しいような恥ずかしいような…複雑な気分になってしまいました。

月曜日の頭痛、やけに誇張するなぁと思ったらあれは二日酔いだったのですね。

そんなテキトーな本読みだから何度も繰り返し読める、という訳ではないと思うのですが、今回も楽しく読了しました。

これだけよ~く読めば決して穴というか強引な部分が目につかない作品ではないのですが、それを補って余りあるリーダビリティには只々ひれ伏すばかり。

やはり最高。


☆☆☆☆


タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))/メディアワークス

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タイム・リープ<下> あしたはきのう (電撃文庫)/KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

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ちょっと油断して隙を見せると、また手に取って読まされてしまう。

恐ろしい本です。

前回読んでから約一年、その間二百冊くらい挟みましたが、未だもって自分的不動の『物語の王様』です。

この本のお蔭(せい?)で、僕は未だにラノベの山の中から金脈を掘り当てようと手当たり次第にツルハシを振るい続ける山師の様な読書生活をしてるのですから、全く持って罪深き一冊と言えるのです。

まぁ、そんな話はともかく、何度読んでも色褪せない相変わらずの一気読み本でした。

やや硬質な文体ながら難しい言葉に傾倒していない所が非常に読み易い。

下巻へ。


☆☆☆☆☆


タイム・リープ<上> あしたはきのう (電撃文庫)/KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

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タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))/メディアワークス

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お恥ずかしながら初読みです。

初めてなのにどこか懐かしい感じ。

それはきっと今の多くのミステリ作品の根底に本作へのオマージュやリスペクトが流れているからなのでしょう。

とにかく人を楽しませる仕掛けの詰まった作品でした。

孤島に集められた嘘を抱える人々、十人の兵隊が一人ずつ減っていく童話になぞらえた殺人、と同時に減っていく人形、生じる互いの疑心暗鬼…。

細かいトリックを問うタイプではありませんが、ミステリとしてはこちらの方が余程好みですね。

真犯人の心中の台詞が引っ掛かり所ではありましたが、十分に楽しませて貰いました。


☆☆☆☆


そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房

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そして誰もいなくなった ハヤカワ文庫―クリスティー文庫/早川書房

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必ず騙される。

ある意味では確かにそうかもしれません。

当然僕も分かりませんでした。

けど明らかに論点がすり替わっている気もしません?

これこそフェアアンフェア論争が起こる気がするなぁ。

例えば小船から写真を撮るシーン、あれは明らかにお互いの反応がおかしいでしょ。

これで騙された、とか言われてもなぁ。

タイトルも案外やられた感が無かったですし。

南国モードが斬新だっただけに、余計「何だかなぁ」な感じでした。

クビキリ、六とんとメフィストは3作目ですが、今のところ世間が評価する程の有難味を感じないのは僕がひねくれ者だから?


☆☆☆



○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)/講談社

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○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)/講談社

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いやぁ、長い旅路でした。

数ページ読んではぐったり疲れて、ついつい別の本に手が伸びて…と繰り返すこと間に5冊!

すっかり読書から荒行という体になってしまいました。

一体何が合わなかったのか…思うに描写不足とテンポの悪さが、本書の読みにくさを助長していたのかと。

例えば登場人物の内面がきちんと描かれていないからか、Aという台詞からBという台詞に移る感情の動きが全く読み取れず、言っている事が一瞬先でコロコロ変わっている様に見えてしまう宇宙人的会話の連続となっていたりなど。

素材自体は興味が湧いていただけに残念でした。


☆☆


ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫)/ソフトバンククリエイティブ

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ハンドレッド ―ヴァリアント覚醒― (GA文庫)/SBクリエイティブ株式会社

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30年前のスペイン・バスク地方を舞台に、テロ組織に身を置く事となった日本人と、彼の遺した謎に巻き込まれる事となった現代の息子の、裏社会に関わる者の苦悩を描いた作品。

主人公二人を用い、現代と30年前とでシーンを交錯させながら、二つの時間軸で並行して謎を明かしていく様は非常に楽しい。

日本の裏社会で主人公が暴力と酒と女の狭間でもがくという作者のパターンからは離れていますが、ある意味ヤクザよりも無慈悲なテロ社会が舞台とあって何が起きるかわからない雰囲気は十分に楽しめます。

さて後半、どんなサプライズが待っているか。


☆☆☆☆


殉狂者 (上) (角川文庫)/KADOKAWA/角川書店

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殉狂者 上 (角川文庫)/KADOKAWA / 角川書店

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また読んでしまいました。

それにしても普通、結末の分かった物語など嬉々として再読するものではないのかとも思うのですが、本書の驚くべきはむしろ結末を知っているが故に、その方向に引っ張られるが如く頁を捲ってしまう所にあるのでしょう。

つまり初読よりも二度目、三度目が面白くなってしまうという非常に稀有な物語なのです。

それと毎回舌を巻くのが黒髪の乙女のキャラクター造形です。

毎回読後に寂寥感を感じてしまうのは、目の前にいた筈の彼女と別れねばならないからでしょう。

良いキャラとはまさにそこで生きているんですよね。

なむなむ。


☆☆☆☆☆


夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)/角川グループパブリッシング

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夜は短し歩けよ乙女 角川文庫/KADOKAWA / 角川書店

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ふとした切っ掛けで再読。

やはり楽しい。

中でもカチカチ山が秀逸。

狸を汚らしい風体のうだつの上がらない中年、兎をうら若き処女と置き換えた解釈が、作者お得意のダメ男の悲哀と虚栄というテーマふんだんに活用できる土台となり、笑いのランクを一段上げていた気がします。

盲目的な恋が故に、自らをひと周り良く見せようと年のサバを読み、武勇伝を語り、できないものをできると言い張る男の姿は男として哀しいのですが、それだけに滑稽で笑えてしまう。

特に見栄と食い意地の対立の描写は自身にも心あたりがあるだけに苦笑いが止まりませんでした。


☆☆☆☆


お伽草紙/作者不明

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文学的な推理小説とでもいうのでしょうか。

とにかく謎が謎を呼んでおいて、バッサリと結末を切られて終わってしまいました。

父は無実なのか。
兄は本当に性根から悪かったのか。
妹の最後の言葉は真実だったのか。
そもそもこのタイトルの意味は…。

文学的に言えばそれらの解答に大きな意味はないのでしょうが、凡人たる身にはいささか酷な結末かと。

とはいえ作者の意図も何となく伝わって面白かったです。

兄の小暴君ぶりに波立てられた感情を、妹の最後の「新しい言葉」で締められた時の感覚といったら。

作者はきっとそれがやりたかったのでしょうね。


☆☆☆☆


花火/作者不明

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キリストと使徒の物語。

ユダの視点で「最後の晩餐」あたりの様子が描かれています。

同い年でありながら美しい師であるキリストに対し、複雑な眼差しを向けているユダ。

氏の作品を通じていつも感じるテーマなのですが、今回も主人公は葛藤してます。

考えがあちらこちらと揺さぶられ、落ち着くところが無い。

このユダもキリストへの愛情が高まったかと思えば、復讐だと騒いだり。

自分の本心を隠そうとして嘘をつくのか、嘘をつく自分を振り返って正直であろうとするのか、とにかく気持ちがひとところに落ち着こうとしません。

これぞ人間……なのかな?


☆☆☆


駈込み訴え/作者不明

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