昨日の、白鵬—照ノ富士の記事があります。
取り組み前の様子が書いてあります。
落ち着かない様子の照ノ富士関に対して、不動の心の白鵬関。
おそらくこれも、勝利の要因でしょう。
(波戸健一記者さんの記事。とても鋭い観察だと思います)
「不動の心=普段通り」
私の研究領域の労働安全に例えるならば……
白鵬関は『普段通り→定常状態』
照ノ富士関は『落ち着かない→非定常状態』
と言い換えることが出来ます。
産業界の事故は予想していない状況下、いつもと違う状況下で発生していることが多いです。
では、「いつもと違う状況下」とはなにか?
それは「稽古の時」となります。
つまり、
白鵬関は「力が出せる、怪我や失敗のリスクは少ない」
照ノ富士関「力を十分に出せない、様々なリスクがある」
となります。
たしかに、「白鵬関の方が経験がある」と言えますが、でも少々違います。
「体験を経験に変えるのは稽古しかない」と言うことです。
様々な、過酷な、つらい、体験を「論理的な稽古」、「考える稽古」で経験に変えています。
だから、「不動の心」を手に入れることが出来たのです。
一例を述べると、
昨日の取り組み、最後は……
(出所:Yahoo!スポーツ、公益財団法人日本相撲協会)
このような姿勢。
この姿勢は、稽古中でも変わりません。
この姿勢を作るために、
この姿勢ですり足をしています。
周りの力士と腰の高さが違います。
結果を残す為に「何をしたらよいのか、何をすべきか?」を常に考えています。
(照ノ富士関に関しては分かりませんが、白鵬関はこの事を常に意識しています)
このようなすり足(ムカデ)を見ます。
一生懸命にやっています。
しかし、一体何のためにやっているのでしょうか?
各力士が目的を持ってやっているのでしょうか?
腰の高さは関係ありません。
腰が高くても、低くても「行う目的」があれば良いのです。
このような、「小さな行為・考え」の積み重ねが
不動の心
に繫がってくると思います。
体験を経験に変えるのは稽古しかありません。
やはり、稽古は大切です。
- この内容の一部は下記の本に書かれています。
また、次の本で白鵬関・双葉山関の不動の心について述べます。
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