演題は、「横綱白鵬の強さを紐解く~強さの秘密は「労働安全・衛生」の考え方にあり~でした。
毎度のことですが、講演内容を考えていますと、いろいろな発見があります。
また、講演中、話ながら発見することもあります。
昨日、
「白鵬関の特徴として、『人の話を真摯に聴く。傾聴力』がある」ことをお話しさせて頂きました。
(白鵬のメンタル:P171。年配者の体験や考えは、つらい出来事を乗り越えていくためのヒントとなる! 本書にはありませんが「昭和の人はすごい。戦争後、何もないところから、素晴らしい国を作った。それが困ったときのヒントになる」ともいっています。)
そうです。
傾聴力について話していたときに、ふと「聴く文化」について思い出しました。
今年、3月白鵬のメンタルをモンゴル語に翻訳して頂きました。
です。
翻訳をしている際に、ある出版関係者から……
「いままでの傾向としてモンゴルでは本を読む文化はあまりなかったようです。なぜならば遊牧、移動をしますので、生活に必要最低限のものしか持たなかったようです。今は違いますが。いままでは物事を“語り”で伝えていたようです」
“語り”で物事を伝えていく文化……。
つまり、真摯に話しを聴く事が出来る。
これは読む力に匹敵する事だと思います。
そういえば、白鵬関に限らず、多くのモンゴル力士、モンゴルの関係者と接していると「聴く文化」、傾聴力の高さを実感します。
具体的には
・聴いている態度がわかります。本当に耳が大きくなっている感じがします。
・相手の話をきちんと聴いてから、話します。
・カウンセリングで言う「簡単受容(うなずき、あいずち)」がある。
です。
「技能」の要素が多い相撲。
本を読んだり、映像を見たりすることも必要ですが、
師匠、親方の言っていることを理解することが最も大切です。
強くなるためには、様々な要素が必要ですが、
「聴く」こともその一つであると思います。
自分の主張ばかりするのではなく「聴く」。
これも日本人力士が無くしたモノの一つでは?と実感しました。
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