進化医学と伝統芸能 その2 | 内藤堅志オフィシャルブログ「労働科学研究者 内藤けんしの"ちょっといい話かも!"」Powered by Ameba

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労働科学研究所 協力研究員。
第1種衛生管理者。
労働衛生・安全、技能伝承、ストレスを研究しています。成功、活躍した人を分析して「運」も研究しています!

先日、進化医学の考え方が伝統芸能の発展に役立つのではないか?


という考えをお話しして、進化医学の紹介をしました。


今回は、「進化医学のどのような考え方がヒントになるのか、内藤が進化医学のどこに共感したのか?」をお伝えして、私の頭を整理しようと思います。


まず、もっとも共感したのが「自然淘汰」です。そして「進化(変化)」です。


伝統芸能を、生物に置き換えます。


すると、例えば、相撲‥‥

何千年も続いています。その間、相撲の目的、動き技、ルールなどは変化してきました。

当然、変化しないところがあるわけです。


相撲という生き物が、進化しながら、自然淘汰しながら今、現在生きている。

ということは、残り伝わってきているものには意味があることになります。

必要だから、残る。


つまり、基礎的な動作であれば、すり足、てっぽう、四股、股割。

技であれば、決まり手にあげられている技となります。


そこで、何が言いたいのかというと‥‥‥‥

①残っている“モノ”を疎かにしない。
②その意味を考える。形だけ真似しない。

ということです。


この理由は‥‥

技から知る


この本は、“「わざ」から知る”という本です。
(生田久美子著:東京大学出版会.1987)

この本が参考になります。
P40に、尾上菊五郎(六世)さん、中村勘三郎さんの話を基に著者が考察しています。

『つまり、最近の若い役者は自分の演じる役の「形」の習得ができていさえすればそれで「わざ」が習得できたと思い込む傾向にある。しかし、それだけでは「形」を習得したと言えても「型」を習得したとは言えない。自分の演じる役の「形」の模倣に先進することはもちろんであるが、当の形の意味を模倣活動のなかで自分なりに解釈していき、歌舞伎という‥‥(省略)』

としています。

残っているモノの意味を考えて形を習得する。その結果「型」となる。

ですから、型を習得した人は想定外が少ないのではと思います。
(負けが少ない、きれい・美しい、深い等)

つまり、型は想定外の振り幅を小さくするための手段となる。“胆力”だと思います。

それを習得するためには、残っているモノにヒントがある。


野球ならば、素振り、シャドーピッチング。

もし、これらが日本の野球独自なモノであっても続けた方が良いと思います。


伝わって、今も残っているモノには意味があります。

形だけ真似るのではなく、意味を考えながら習得する。それが型の形成になると思います。




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