それから、ラプンツェルに王子という友達が出来ました。

王子は魔女に見つからないように、夜に遊びに行きます。
王子が来たら、ラプンツェルは王子とお話を聞かせて貰います。外にはどんな景色が広がり、どんな鳥が鳴くのか、等、いろんな話しです。そしてラプンツェルは思うようになりました。いつか外で思いっきり遊びたいと。

ある晩、王子はいつもと同じように塔の真下にいき、髪を下ろしてもらいます。そして塔の中へと入ります。しかし、中にいたのはラプンツェルではなく魔女でした。
その魔女の身体はボロボロで、その魔女が持っていたのはラプンツェルの髪、部屋は荒らされていました。何があったのかと聞くと、魔女はラプンツェルが化け猫にさらわれたと、言いました。王子は魔女の手当てをし、ラプンツェルを探しに行きました。

長い時間が立ちました。王子がある日迷い込んだ森の中、一人の女性に出会いました。短くなった髪、その手には彼女と王子に良く似た双子の赤子。
彼はようやく彼のお姫様を見つけたのです。
その後、二人は家族となり、双子の赤子と共に幸せに暮らしましたとさ、めでたし めでたし】



「ねぇ兄さん、明日はどんなお話聞かせてくれるの?」
ベットの上に横たわる女、その女の目は硝子のような眼差しで、読み手の男を見つめている。
「それは明日のお楽しみ、それまで楽しみに待ってて」
男が女の頭を優しく撫でる。
女はへにゃりと笑い、男の手を受け入れる。
おやすみ、と男が女の頬におやすみの挨拶をすると、女もまた、おやすみの挨拶は出来ないものの、おやすみ、と微笑み返した。



男が自室に戻り、分厚い本に騙りかける。
「アリス、でておいで」
すると本の中から手の平に収まる大きさの少女が出て来た。しかし、少女の身体は少々透けていた。

「呼びましたか、にぃさま?」
男が口を開く。
「うん、明日も、とびっきりの物語をあの子に聞かせたくてね。」
男が微笑む。しかしアリスと呼ばれた少女は少し顔を歪ませたあと、直ぐに笑みを浮かべた。
「わかりました、明日はこういうお話はどうですか?」
「どれどれ?」



今宵も月が部屋を仄暗く照らす。

その部屋を、一人少女が眺めていた。