「アーサー!留めは俺の仕事なんだぞ!」

「お前なぁ…俺がいなかったら間違いなく斬られてたぞ。」

「う… は、早く連れていくんだぞ!起きちゃうぞ!」

「わかってるぞばかぁ!!」



───
あの翌日、地面から涌き出た涌き水をルッツに与えた。するとルッツは視力を取り戻し、さらに十数年、今度はフェリシアーノちゃんという愛を手に入れたけど
けどそれがルッツにとって幸せなことだったのか、ルッツを亡くした今となっては全くわかんねぇ……

「殺せー!殺しちまえ!」
「この魔術師がお兄ちゃんを!」
「ゲルマンの魔術師ですって、怖いですわねお兄様…」
「ああ…いい子にしてないと魔術師に食べられるのである!」
「きゃあ!……もう!」
「ふはは!」
「あんたなんか死んじゃえばいいのに!」
十字架の元へと連行される俺の耳に罵倒が次々と叩きつけられる。中にはかつて俺が救えなかった患者の家族もいた。ケセセ 凄くグサッと来るぜ。


一度はその存在を消された 愛しくて可愛い俺の弟


生きて春の日差しの中で 笑って欲しいと願った兄の想いも、今や虚しく 束の間の陽光(ひかり)さえ 戯れに 奪われてしまった


「忠魂には恩情を!異端には業火を以て報いねばならん!
さあ諸君!魔術師を持って鉄槌をあげよ!」
「「鉄槌をー!」」
お前らは俺の最期をみて喜劇だと喜ぶだろう。ならば俺は 世界を呪う本物の《魔術師》に……(なってやるからな)

――そして、【第七の喜劇】は繰り返され続けるだろう……


ケセセセセセセセ


その魔術師は 灰へと 姿を変えた。


───
森の魔術師が死んだ。


その噂を聞いた瞬間、俺は頭が真白になった。