私には向いていない
食品加工会社のT社では、四月より十数名の新入社員が入社しました。
さっそく二週間にわたる新入社員研修が実施され、人事部のKさんは、会社全体のしくみを伝える指導係を担当することになりました。
研修三日目のことです。一人の男性が「会社を辞めたい」とKさんに申し出ました。理由を尋ねると「私にはこの会社の仕事は向いていません」と言うのです。<仕事の向き不向きが三日でわかるはずがない>とKさんは思いました。
Kさんは新人時代、ただガムシャラに働きました。今の仕事が<自分に向いている>と感じたのは、二十年のキャリアを積んだ頃からでした。「私には向かない」という新人の申し出に、助言できることがないかと考えたKさんです。
仕事が「向くか、向かないか」は、現段階で「できる、できない」とは違います。今の自分にできることは何かを考えることが、新人時代には大切なのです。
入社して一年以内で退職する人が増えている昨今ですが、現在の職に就いた経緯を思い起こし、「まずはやってみよう」という気概を持ちましょう。
今日の心がけ;目の前の仕事に集中しましょう
<社団法人倫理研究所 法人局「職場の教養」より転載>