真剣と浮気
又つねの御すすめに云う。往生極楽をまめやかに思い入りたる人のけしきは、世間を一くねりうらみたる色にてつねにはあるなり云々。
法然上人の言葉である。真剣と浮気とは正反対である。適切な例を引けば恋愛を考えるがよい。真剣に恋する女はわが恋人以外の世間の男一般は皆一向につまらない。一くねり世間の男を白眼視するようでなければ誠の恋ではないのである。上人のこの語、人の心をぴたりと摑むものがある。軽薄者の到底及ばぬところと思う。
小児の母を頼むは、まったく故を知らずただたのもしき心ある也。名号を信敬(しんきょう)せんことかくの如し。
涙ぐまれる言葉ではないか。