自分を慎む
孔子の言葉に「己[おのれ]の欲[ほっ]せざる所は、人に施[ほどこ]す勿[なか]れ」とあります。
ある時、一人の弟子が「人生で最も心がけるべきことは何でしょうか」と孔子に尋ねました。孔子は「自分が嫌だと思うようなことを、人にしてはならない。まず自分の行動を慎[つつし]み、全体の決まりに従うことが大切である」と答えました。
現代においても、他人の迷惑も考えずに「自分さえよければよい」というような行動をとる人を見かけます。電車の中で化粧をする女性、大声で携帯電話で話すビジネスマンなど、「慎み」はどこにあるのかと思いたくなるような状況です。
人は誰でも、「どうしたら周りの人たちと共同生活を円滑に営むことができるのか」という共通の命題を持っています。個人という立場を尊重し、常に社会の一員としての立場をわきまえて行動することが求められます。
他人との調和を図るためにも、まず「自分が嫌なことは他人にもしない」「相手が喜ぶことは何かを想像する」等を意識し、自分中心ではない「まず人ありき」の心で、和やかな社会生活を送りたいものです。
今日の心がけ;慎んで行動しましょう
<社団法人倫理研究所 法人局「職場の教養」より転載>