生きものの記録 | ボッチのブログ

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こんばんは…今日は私の大好きな黒澤明監督作品の中で私が1番好きな作品を紹介したいと思います…


黒澤明監督と言うと時代劇の監督と言うイメージが強いですが黒澤明監督はチャンバラ時代劇は反吐が出る程嫌っていた事をご存知でしょうか?


1番最初の時代劇は


・虎の尾を踏む男達


と言う時代劇で追われる身になった牛若丸を関所超えさせるべく武蔵坊弁慶が知恵を絞り関所突破すると言う話でしたが当時戦後GHQのアメリカ軍に撮影をめちゃくちゃにされ未完成とされた作品ですがかなり面白いです。


その後、桶狭間の戦いを映画化しようとするも資金が集まらず断念…


チャンバラ時代劇が我慢ならない黒澤明監督はリアリティーな時代劇を作る事に熱意を注いでいき…完成したのが


・羅生門


です。


そして次の時代劇は本物のアクション時代劇を作りそれが世界で最も有名な映画となりましたそれが


・七人の侍


です。


次の時代劇は…


・隠し砦の三悪人


これはめちゃくちゃ面白い上に現在の映画のスタンダードとなるシネマスコープを開発してでの撮影となりました。今私達が見ている映画のスクリーンの映像サイズは黒澤明監督が開発したものです…


そして…


・蜘蛛の巣城

・用心棒

・椿三十郎

・どん底

・赤ひげ

・影武者

・乱


と時代劇を作りましたが実は黒澤明監督作品の中では社会派ドラマの方が多く時代劇は少ないのです。


・姿三四郎

・続、姿三四郎

・一番美しく

・野良犬

・酔いどれ天使

・白痴

・わが青春に悔なし

・スキャンダル

・生きる

・生きものの記録

・悪い奴ほどよく眠る

・静かなる決闘

・天国と地獄

・どですかでん

・デルスウザーラ

・夢

・8月の狂想曲

・まあだだよ


と…社会派ドラマの方が多いのです…その中で私が1番好きな黒澤明監督作品は


【生きものの記録】


と言う映画です…この映画は黒澤明監督作品の中で最も興行収益が少なく観客動員数も最下位で1番成績が悪かった作品ですが…めちゃくちゃ面白いのです。


黒澤明監督が黒澤明監督である所以、映画監督であると言う責務。使命感により作られた映画何ですがこんな面白い映画は稀だと思います。


成績が悪かったのは作品が原水爆をテーマにしたから当時の日本人は見なかったとされてるだけで見たら度肝抜かれます…


ぶっちゃけ原水爆禁止を訴える映画だと言う先入観で先ず観てください…


するといきなり最初のシーンが歯医者のシーン何です…


(どういう事かと…思って観ていると)


家庭裁判所のシーンに移り主人公の爺さんが準禁治産を家族に申し立てられるシーンが激しい怒鳴り合いで展開します。


準禁治産とは家族が親の資産を守れる法律で、例えば親が子供達に遺産は残さんと浪費し出した場合に家族は親がお金を使えないように出来る権利です…


原水爆とはまるで関係ない…展開ですが怒り狂った爺さんと困り果てた裁判員と家族のやり取りがとてもただ事じゃなくて引き込まれてしまいます…


そして裁判員が「何故そんなにお金が必要何ですか?」と聞くと爺さんはムスッとして「皆んな何もわかっとらん」としか言いません…


そこで家族が「ブラジルに移り住みたいそうで…」


と事情を説明します。


そこで爺さんがはじめて理由を言います。


「貴方達はこの日本に住んでて平気なのか?貴方達は死の灰と言う本を読んだ事があるか!世界中の原水爆の灰は気流の関係で全部日本に降りそそぐんだ」


と…


そこに裁判員が「しかしそんな事を言い出したら何処にも住めんよ…」と言います…


その時爺さんが


「死ぬのは構わない!でも殺されるのは嫌だ!」


と叫び家庭裁判所のシーンは終わります…


そしてその爺さんはブラジルから帰還した人に土地家屋を売ってもらうと言う計画を家族に内緒で進めます…


そこで裁判所から準禁治産を言い渡されお金が使えなくなるのですが…


こんな家があるからイケないんだと自分の自宅と工場に火を付け燃やし全焼させてしまうのです…


ここに至るまでこの爺さんに愛人が何人もいたり隠し子がいたりで波乱万丈な人生を送ってきた爺さんの物語が見えてきますが…


自分の工場と自宅を燃やした爺さんは警察に逮捕され拘置されるんですが…勾留中に頭がおかしくなり…精神病院に入れられてしまいます…


ここからラストですが…家族が精神病院に面会に来ます…すると担当医の先生が言います…


「あの患者は他の精神病患者と違って見てるととても憂鬱な気分になる…あの患者がおかしいのか我々がおかしいのか…わからなくなるんです」


と言われたまま爺さんを見に行くと…


爺さんは

「おお!お前達も月に逃げてきてくれたか良かったー本当良かった!…あれ…あ!地球が燃えてるぞ!地球が燃えてるー!地球が!地球が燃えてる」と太陽を指さしながら半狂乱しだしてこの映画は終わります。


私はこの映画を観た時にとんでもない喪失感を覚えました…爺さん的には精神病院に入った事がある意味幸せだったのかもしれないが…肝心の原水爆の恐怖は続いている…


しかもこの映画…音楽が一切使われて無いんですよね…最後…幽霊の様なひゅ~ひゅ~ひゅ~と言う効果音が流れるだけで…それ以外、音楽によるシーン効果の演出を徹底的に省いているのがめちゃくちゃ面白い…


原水爆の映画と言うと原水爆が全面的に描かれますが…黒澤明監督は原水爆と言うものを描かず原水爆と言う驚異におののく1人の老人を描いたのです…これが巨匠たる所以だと私は思います。


普通の監督では歯医者のシーンからはじめないでしょう…家庭裁判所のシーンなど描かないでしょう…


黒澤明監督と言う日本が誇るべき日本人はとんでもないクリエイターでした…


また黒澤明監督作品について語りたいと思います…


短くて申し訳ないですが…今日はここで終わりにします。


読んでくれた方ありがとうございました。


デゎ…。