かごの中で暴れる。
今頃になって自信が出てきたかも。
はは。今頃かい!遅い!
一ヶ月で
6話分の原本を書くというのは
すごくしんどかった。
本当に何度も何度も逃げようとして。
はじめにこの話がおれに来たときは
やってやる!って
数日は高揚感に包まれて
頭の中で日数計算して。
でも高揚感が収まったときには
もうプレッシャーのみ。
いやぁ本当に逃げたかった。
でもやらなきゃいけない。
この板ばさみで、
その板はどんどん迫ってくるし。
体も頭も動かないし、
アイディアがビックリするほど浮かばなかった。
面白い台詞とか、エピソードとかもなにも。
今、1話、2話を見返すと
ビビッて書いてるのが原稿に出てるね。
かごの中に完全に閉じ込められて
動けなくなってるインコみたいで。
本当にひどい内容だった。ひどすぎる。
ぶっ壊したい病も出てきちゃってるし。
自分で読んでてもつまらなくて。
で、どうにもならないから、
3話目を書いてるときに
ちょっと子供の頃のアルバムとか
通信簿なんかを見てたんだよなぁ。
おれの名前を
どんな気持ちで両親が考えたのかとか
そういうのがアルバムに載ってて。
よく考えて名前付けられたんだねぇ。
とか。
そんで通信簿見たら
「身障者展出品」
て通信簿の裏に書いてあって。
なんだこれ?
と思って親に聞いたら
どうやら小学校の低学年のとき
「風神、雷神」を描いたみたいで、
なんかそれが
埼玉県知事賞みたいのをとって
小学生とその親が見るような子供の雑誌あるじゃん。
あれの身障者とのふれあいじゃないけど、
そんなコーナーに結構大きく載ったんだってさ。
「風神、雷神」は描いたような気はするけど、
あれがどうなったとか知らなくて。
てか記憶から消えそうになってたくらい。
そのとき教えろよ!
みんなに自慢してたのに!みたいな。はは。
そのまえに
なんで小学生が風神雷神なんだよ!(笑)
ま、なんかそういうね、
自分の歴史も書いちゃえばいいじゃん!
って思って。
あとはやりたくてもできなかったこととか
原本に入れて
キャラクターにやらせてしまえ!って。
もちろんネガティブな気持ちも入れて。
かごの中に入ってるインコだけど
その中で思いっきり暴れれば
悔いは残らないんじゃないか?
って思えてきたのかな。
インコがかごをもっと大きくしちゃえばいいんだ!
みたいな。よくわかんないけど。はは。
それかおれが勝手に自分から、
かごに入ったのかもしれないし。
3話からは
なんか吹っ切れたんじゃないかな。
取り付かれたように書いて
なんか心の底に泉が湧いたみたいな。
これはおれが書いてるぞ!って思えるし。
変な台詞とか変なサイドストーリーとか
シモネタもバンバン入れてるし、
なんかバンバン映像も浮かんでくるし。
原本の中で変な小説も書きだしたり。
なぜか作詞もしてるし。
普段できないことをフィクションで隠したり、
あるときは実話入れちゃったり。
別に否定されて突き返されても
自分の色が出てきてるから
ある程度納得できるなと。
あとは1話、2話を直して
印刷すれば
よいわけで。
変にね、浮かれず足元見て直しの作業をしようか。
いやぁ、少し光が見えてきたぞ!
ほんと死んじゃうかと思ったぁ。