白いハト。
サバティーニでの面談は
おれの心を揺さぶった。
ミッドタウンを横目に
久しぶりの高鳴りが体じゅうに広がった。
採用されるかされないかは別として
ダメ元で脚本を書くことになった。
そんで気分転換に
ジャ二●ズ事務所周辺散歩。
まーこわい。
受付が大男の警備員だった。
フト市ヶ谷に降り立って
鳥居をくぐる。
老人が深々と一礼。
おれも見よう見まねで一礼した。
本堂の前には桜の木がある。
先人がこの桜を目安に待ち合わせをした。
そこに白い鳩が二羽。
ここから本殿が見える。
左に目をやれば遺書が彫られている。
午後の日差しがまぶしくて
しかめっ面で読むことになった。
「ここで」と約束を交わした魂は
いくつあるのだろうか。
日本語を話さない人間が
ピースサインで記念撮影。
彼らはお祭りごとが大好きなのだろう。
だからここに来たのだと思う。
本当に神社の歴史に興味があるのだろうか?
賽銭箱に小銭を投げ合掌。
「やっとここへ来ることができました。
あなたは何を想い散ったのでしょうか?
今日の日本は
あなたが望んだ日本国になっているでしょうか?」