とうとう数日前、youtubeで見つけた。

最近のJPOPでいい曲ないかなあと

FMラジオ聴いていたけれど、どうも違うとずっと感じていた。


震災以降は、創作の世界では、なにかが停止したように感じていた。

でも「あまちゃん」や「半沢直樹」で新しい世界が生まれつつあるのかもしれない。


古川本舗は新しい世界を作り上げていた。

ネットで調べてもよくわからない。個人らしい。

今まで2枚のアルバムを出している。


youtubeで色々聞いてみた。

曲ごとに作り方が違う。ボーカルも違う。

映像も違っている。

そんなことは重要なことではないのかもしれない。


いい作品は沢山あるけれど、この「月光食堂」はずば抜けていい。


「ガールフレンド・フロム・キョウト」という2枚目のアルバムの一曲。

これ結構売れたらしい。


なんとも日本のメロディに溢れている。

色彩の美しさはどうだ。

童話の世界だろうか。

あの花火はなんだろう。

不思議な浮遊感と無限の温かさを感じる。


お星様がオレンジ色に輝いている。

生きている。お星様が生きている。

ああ、綺麗だとため息が出来しまう。


詩も聞えるだろうか。

詩的幻想世界。

この温かい声と優しいメロディ。

こころが柔らかくなってくる。


古川本舗のyoutubeのミックスリストに沢山の美しい作品があるのでこれも

聞いて欲しい。


ああ、なんて美しい。


古川本舗 "月光食堂 feat.acane_madder" (Official MV)




ちなみに3枚目のアルバムが11/6が発売される。

SOUP/SPACE SHOWER MUSIC

¥2,500
Amazon.co.j


注文した。

こんなときのわたしは迷いはない。

待ち遠しい。

わたしは暫く古川本舗にいます。




そして、よしもとばななさんの新刊「すばらしい日々」


すばらしい日々/幻冬舎

¥1,365
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父であり、詩人・思想家の吉本隆明さんが亡くなる直前か。

短いエッセイとして纏めたもの。


吉本さんが亡くなって1年半だろうか。

3月の命日にわたしは吉本さんの墓の前で長いときを過ごしていたことを思い出す。

この本は、24編の書き下ろしを含めた様々な<愛>を綴ったものだ。


ある頁でわたしはまるでその字が滲むほど紙の上に涙の雫を落していた。

ぼななさんがどれほど吉本さんを愛していたのか。


「それはわたしもわかります」というように、シンプルなことばがこころの奥深いところに

たどり着いて、わたしは「そうだ。そうだよね。」と深くうなづくのだ。


本人が「一生に一度の凄い本」と話しているのは、この2年の間に

震災・老犬の死・友達の死・両親の死を経験したことについて書いているからだろう。


恐らく再読するだろう箇所が沢山ある。


・つまりポジティブシンキングをがんばるのではなく、なるべく日々をハッピーでいる

ことしかないんだと思う。

じぶんを不幸にするのはじぶんの責任だから。



・あの犬との無限の思い出がつまっているわたしの人生だって、もう折り返し地点だ。

わたしが死んだら、思い出もみんななくなっちゃうのかな?。


いや、そんなことはない。どこかにきっとそのまま残っているのだ。

だからこそ、戻る道を丁寧に生きていこう、そう思った。


・1人の無名のひとが生き抜いているだけで、たくさんの奇跡を起こしている。


・あのものすごい向かい風のなかでじっとがんばるような気持ち

なんの希望もないのに逃げないということ。



「血まみれの手帳」は、父隆明さんの死の直前の闘いを書いていた。

晩年は糖尿病が進行し、ほとんど失明状態で、話すことや歩くことも難しかった

ことがわかる。

その中で吉本さんはどう生きていたのかが初めて明かされる。


この頁は赤いボールペンのマーキングで真っ赤になっていた。

インクが涙で滲んでしまった。


最後に隣の夫婦のことを書いた「せっけん」はどうしても読んでほしいと思うのだ。


この本のラストに、ばななさんのこの短期間にあった壮絶な出来事についてまとめたことばがある。

胸が一杯になる。


引用はやめよう。

是非手にとってほしい。


ここには、生きることへの最も大切なことばがある。


「母たちと同じように必死で知らん振りして、また次があるようにふるまって「またね」という挨拶をしたい」

そしてあのことばが続くのだ。

そんな心境へたどり着いたのだというほどに。


思い出はちゃんと残る。

2日前に母の3回忌があった。

わたしのこころにちゃんと残っている。

わたしの書斎にも。


「月光食堂」で輝いていたのは、生命なのだ。



辛いと痛いとか苦しいとか悲しいとかで言い表せない言葉やこころがある。

生はじぶんでコントロールしきれない。

しかし、じぶんらしい生を送ろうとすることはできるはずだ。


吉本隆明さんの全集のことは以前書いた。

とうとう来年春に第一巻の発売が決まった。

全36巻の完了は2020年になるらしい。


そのときまで生き続けますとわたしは吉本さんに誓っていた。