第1章 始点
あれは小学6年生のことだったかな。

俺は空手をやっていた。
小学校低学年から始めた空手は自分の生活をとても充実させてきてくれた。
空手で共に汗を流す友達はみんな人が良く、とても明るくて優しい人で、ほんと恵まれていた。
大会ではまずまずの結果を出す選手でしたが、いつくらいかはっきりとはわからないけれど、6年生の頃には皆と違うメニューで練習していたとおもう。
それは、1人だけ練習メニューが違うということ。
自分はなにもしていない、というか、なんで自分だけ?
もしかして、俺は将来性があるから、特別に期待できる存在だから別のメニューを?という馬鹿な考えをしていた。でも現実は甘くはなかった。月謝をごまかされ、みんなより高かったり、先生に相手にされなかったり。当然月謝の値段を見るなり父はキレる。俺にあたる。
俺がなにしたってんだよ。今思えばそんな地獄の空手道場に俺はよく耐えられていたなと思う。まぁなんたって小学6年生。でも当然心はあったはずなんだけど。
ただただ、俺はなにもしていない、なにもやらかしてなんかいないという自信はあった。だから父がなんかやったんだと思った。父はなにかしら気に入らないことがあると、物にあたる。気に入らない相手はとことん嫌う。人を見下し、侮辱する。そんな父だった。
小さい頃から引きずり回されて、その姿を見て母が笑っていた記憶がある。