桃×紫
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「あーちゃん」
「んー?」
収録の空き時間。
楽屋で雑誌を読んでいたら
れにちゃんが後ろから抱きついてきた。
「かまってー」
「今雑誌読んでるもん」
「いつでも読めるじゃんっ」
「今いいとこなんだもん」
「あーちゃんのケチ!もういいもん夏菜子ちゃんに構ってもらうから!」
そう言って頬っぺたを膨らまして拗ねる最年長。
「かなこちゃーん構ってー!!」
…この構ってちゃんめ!
夏菜子ちゃんの方に歩きだすれにちゃんの腕を掴んで抱き寄せる。
「おわっと」
「仕方ないなあ。ちょっとだけだよ」
「えへへっあーちゃんすきっ」
ニコニコ笑顔で頬ずりしてくるれにちゃん。
可愛すぎか。
「はいはい、そこのバカップル収録始まるってよ」
「「はーいっ」」
ウチの最年長、高城れに。
カメラが回ってようが人前だろうが
所構わずベッタリくっついて甘えてくる。
まあ、あたしからもひっつく事多いんだけど。笑
あたしよりも3歳も上のくせしてほんと子供っぽくて
でもそれがまた可愛いと思ってしまう辺り
れにちゃんにベタ惚れな訳で…。
あたしからくっ付くとたまにツンツンしたり
照れて逃げたりする天邪鬼なところも
うん、たまらなく可愛い。
「どーしよ…歌詞がまた飛んだら…」
「大丈夫だよ、そう言っていつも出来てるし」
優しく撫でてあげる。
よく本番前に不安と緊張で泣いたり
フリが覚えれなくて困ってたりすると
助けてあげたくなるというか
守ってあげたくなるんだ。
最年少のあたしが思うのってなんか変かな。
だかられにちゃんの前では強く
カッコいいあたしでいたいって思う。
その矢先だった。
あたしは足を骨折してしまった。
大事な大事な国立のライブを控えて…。
悔しかった。
みんなと一緒にレッスンに参加出来ない。
ただただ情けなくて辛くて…。
でも弱音なんか吐けない。
誰にも泣き顔なんか見せる訳にはいかない。
だからそっと抜け出した。
「あーちゃん」
普段使われていない部屋がある。
落ち込んだ時はそこで1人でじっと考え込んだりするんだけど
あたし以外誰も居なかったハズ。
「れに…ちゃん?…どうしてここに?」
振り向くとれにちゃんがいた。
「…あーちゃんの姿が見えなかったから」
「忘れ物取りにきたんだけどさー
ご飯のこと考えてたら、部屋間違えちゃったみたい!あははっ」
なんでもないように笑って誤魔化す。
「更衣室行ってすぐ戻るね!」
そう微笑んでれにちゃんを横切る。
「なんで」
「ぇ…?」
「なんで笑ってるの?」
れにちゃんに腕を掴まれた。
「ほんとはつらいくせに…泣きたいくせに…」
「ううん、あたしは大丈夫だから。心配しないで」
誰にも弱いとこみせたくない。
だから大丈夫。
「そうやってまた1人で抱え込もうとする。」
「だから何でも無いって言ってるじゃん!
れにちゃんには関係ないよ!」
ほっといて。
れにちゃんの前では強いあたしでいさせて…。
「私の前でくらい弱いあーちゃんみせてよ」
「!」
顔を見上げると真剣な眼とぶつかる。
「私があーちゃんを支えるから。
あーちゃんの足になるから。」
そういって微笑むれにちゃん。
いつもは子供っぽくて頼りない最年長なのに
なんで今日はそんな力強くて優しい眼してるの。
「私はどんなあーちゃんでも受け止めれるよ?
だってあーちゃんの全部が大好きだから!」
ああ…だめ…
抑えられない。
「おいで。」
そういって腕を広げて待つれにちゃんがとても大人っぽく見えて。
その腕の中にすっぽりとおさまった。
止まらない涙。
優しく頭を撫でてくれる手。
こんなハズじゃなかった。
だけど、心がスッと軽くなった。
「れにちゃん」
「なぁに?」
「またこうやって甘えてもいいかな?」
「当たり前じゃん!甘えたなあーちゃんも大好き!」
ふにゃっと笑うれにちゃん。
その笑顔にきゅんとする。
「へへ…ありがとう。」
「戻る前に顔洗って、午後も一緒にがんばろっ」
「れにちゃんもあの振り覚えなきゃだね」
「そぉーなの!私だけまだ全くできないの!」
絶望する最年長。
さっきまでの頼もしい姿はどこへ行ったのやら。
…愛おしい。
「はい!絶望してないでビシバシやるよ!」
れにちゃんの手を引っ張って部屋をあとにする。
ふとれにちゃんを見ると
優しく微笑まれた。
強がりなあたしをちゃんと分かってくれてた。
れにちゃん、ありがとね。
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今回は彩高。
普段あーりんの方がしっかりしてるけど
弱った時はちゃんと見てくれてる
やっぱりお姉さんなれにちゃんが書きたかった!
れにちゃんってホント底なし沼の様な優しさ持ってるよなって
最近改めて思うわけです。
そんな優しすぎる性格だから
色んな人の負の感情を吸収しちゃうんじゃないかって心配になります。
れにちゃんも人間だから嫌なことあったら
時には荒れてもいいんだからね(;_;)
って誰目線?!笑
れにちゃん愛が溢れてくる前にこの辺で。
にしても、甘えたれにちゃん可愛すぎか!
