「あの細く美しいワイヤーは、初めから無かったよ。」
あの曲を初めて聴いたときから
もしかしたら
そのずっと前から
俺達は知ってたのかな。
気づかないふりを
続けてきただけなのかな。
きっと神様の悪戯?
でも確かにあの時
ウッドベースは囁いたんだ。
二段ベッドの上で
肩をすくめながらね。
あいつがあの娘に囁いたように。
彼が彼女に囁いたように。
もう一度
信じることができたなら
「絶望」なんて名前のさ
地下鉄なんて飛び降りて
クリーム色のバスに揺られて。
窓のそとの景色は真っ暗で
今は何も見えなくっても
行き着くところだけは
綺麗な丘の上に決めているから。
俺達。
遅くなったけど
メリー、誕生日おめでとう。
ルッカ、もう泣きやんだかな?
