【ブラウントラウト】石狩鍋/鍋飯/ムニエル&食べ頃考察 | 68060の部屋II

【ブラウントラウト】石狩鍋/鍋飯/ムニエル&食べ頃考察

「越冬用肉腹巻」から脱却するべく、本腰を入れ始めた江古田ちゃんです。




今回は、駆除釣行開始直後二連発したデカブラウンの解体~料理と、喰い頃の考察をお送りする。

まずは、メス57cm
心臓(ハサミの右上)は小指の第一関節ほどで、拍子抜けする小ささだ。
ちょっと取っただけ(右端)でも血合いの量が凄い。
実際はこの倍くらいの血合いを爪でガリガリと除去する必要がある。



卵巣は発育途中だった。
生涯に何度か生殖行動をするといわれるブラウントラウトだが、これが初産用の卵巣かは不明である。
先日のメス32cm(ガサ採取)の、全長と卵巣サイズの対比からすると、初産用の卵巣と思える。



胃の内容物はこの通り。
ヤゴ(右下)、ウキゴリ(中央&右下)は確認できる。
左上の15cm位の魚体は、ウグイかアメマスか?




そして、





この特筆すべき見事な赤身!!
あんずのお菓子の様で終始見とれてしまう。






1、石狩鍋

その57cmちゃんは、臭みサンプルとして、軽く洗っただけで、ヌメリやウロコ取りは一切しないで利用してみることにした。
半身は刺身、もう半身は石狩風鍋にすることを思い付いた。
全身の味や臭みの様子を知るにはうってつけであろう。

昆布出汁に、アラや中骨、肝臓、卵巣、ヒレ、皮付きの身など全てぶち込む。



他の具材はありあわせのタマネギとエリンギのみ。

味噌仕立てにした。
石狩鍋はほとんど食べた経験がなく、また一切レシピを参照しなかったが、後から調べると意外にオリジナルに添った作りになっていて驚いた。




ドッシャアアアア!!!
いつも通り、灰汁なんかもほぼほぼ放置である。
見た目悪くて、どうもすいません★



質の良い新雪を踏みしめるような、しっかりした歯ごたえはシャケそのもの。
汁にも皮や身にも、臭みは一切ない。
その代わり、旨みがある。

品の良いあっさりとした出汁が出ている。



卵巣はまぁ濃い味だが旨いってほどでもない。



肝臓も豚や鳥のレバーのように濃厚な味だが、唯一ちょっと生臭い感もあり、鍋にはちょっと向かない気がした。
今回胃腸は使わなかったが、内臓関係は生姜を効かした煮込みなどにまわした方がよさそう。
ポテンシャルは感じられた。




そして・・・






ズッシャアアア!!
おかしら様の登場である。



後頭部は驚くほど身がぎっしり!



頬の肉は白身でカジキマグロのような歯ごたえ。
乙である。



とろろんとした目玉も、丸ごといける。



他の部位は、なんだかわからないような白いとろとろコラーゲン(?)で旨い。
もうこの頭だけでお腹一杯な質と量である。
後日のにこごりも顕著で、全体的にスッポン鍋を思い出した。
味の方向性は違うが。







2、鍋飯

当然独りじゃ喰い切れないので、二回目の摂食が終わった時点で、例によって鍋の残りを炊き込みご飯にした。
これまた炊き立てが旨い!
さすがに再加熱や冷凍後の解凍などをすると、魚料理独特の香りが出始める(というか普通に料理として劣化しているんだと思う)が、山椒を多めに振るなどで回避できる。
加熱を繰り返した状態でも、シャケ的な身の質の良さは失われなかった。







ここでいよいよ70cmちゃんが登場。
今回はヌメリやウロコ取りを入念に行ってみる。




期待されたのだが、赤身度はむしろ下がってしまった。
卵巣が、いくつかの成熟卵を残してしぼんでいる。
この初春に産卵したようだ。

産卵に向けて、身の栄養が取られてしまい、疲労も溜まっている状態だったのではないか。
釣ってるときに餌を二回も喰ってきたしね。







3、ムニエル


皮付きを片栗粉にまぶして調理。
完全に白身って感じで、身は歯ごたえが失われ、旨みも減ってしまった。
調理法が違うとはいえ、同じ魚肉とは到底思えない。



以上を総合すると、今のところは、産卵前後のメスは避けるべきという結論だ。
赤身レベルがそのまま旨みのバロメーターになって居そう。

一度産卵した個体が、産卵前に勝るとも劣らない身質に戻れるかどうかは未知数。
ある程度は回復するものの、言ってみれば高齢者状態なので、完全には戻らないかもしれない。
とすると、メスで言えば57cmちゃん位のサイズが一番身質が良いかもしれない。
オスのでっかい個体は未知数なので、今後の試食が楽しみである☆