久し振りに少し読み返しました。
これは私の好きなシーンの一つです。

先生の容姿のモデルは昔の人気ドラマに出ていた、某俳優さんです。
誰にも言った事はなかったのですが、とある投稿サイトで貰った感想でズバリ言い当てられたのを思い出しました(流石です)
でも性格は全く違う。
有栖川先生は、誰にも分け隔てなく本当に優しい。
そして滅茶苦茶頭いいのに、それを自慢する事なく、どこまでも謙虚。
こんな彼氏がいたらなあと、自分の理想全てを詰め込んだ、聖人みたいな男性が完成した次第です(笑)
拙い作品ですが、ご興味ありましたなら、是非。



「拾った犬を育ててなければ、日本にはもういなかったかもしれない。当然、あの大学にだって勤めてはなかった。二匹目の犬を飼い始めた時、正直複雑な思いもあったりしたけれど。今にして思えば瀕死の犬を拾ったのも、それによって日本を発つのが十年以上も遅れたのも、みんなちゃんと理由があった。……三年前のあの日、泉夏に逢う為だった。泉夏に出逢えるように急ぎ過ぎてる俺を、繋ぎ止めてもらっていた──」

神様に──言って、秀王は泉夏に笑った。

「桜舞う春も、泉夏と初めて逢った季節だと思えば悪くない。いい思い出なんか全然なかったのに、そう思えてくるから不思議だ」

こんなに愛しいひとを、自分に与えてくれた。
あの日。
あの時。
出逢わせてくれた。
早過ぎても、遅過ぎても、いけなかった。
三年前の、あの時でなければ──。


『桜の季節が巡っても』
エブリスタ掲載